呪術廻戦に登場する「ドルゥヴ・ラクダワラ」は、死滅回遊の仙台結界で突如現れ、登場直後に乙骨憂太に瞬殺された謎多きキャラクターです。
倭国大乱を制した最古の術師として紹介された彼は、単なる引き立て役ではなく、術式や背景に数々の重要な伏線が込められています。
この記事では、ドルゥヴの強さや術式の正体、登場話、そしてその過去と受肉にまつわる謎までを徹底解説します。
- ドルゥヴの術式と戦闘スタイルの詳細
- 弥生時代に活躍した最古の術師としての背景
- 乙骨に瞬殺された理由と受肉の謎
ドルゥヴの術式とその強さを解説!自立型式神の能力とは
呪術廻戦の死滅回遊編に登場したドルゥヴ・ラクダワラは、仙台結界で四つ巴の膠着状態を作り出した実力者です。
作中では特級術師・乙骨憂太にあっさりと倒されましたが、彼の術式には圧倒的な破壊力と広域制圧力が備わっていました。
ここでは、そんなドルゥヴの術式の内容と戦闘スタイルについて詳しく解説していきます。
2種類の式神を操る術式の詳細
ドルゥヴの術式は、自立型の式神を2種類生み出す能力とされています。
作中では、巨大な四足歩行型式神と、翼を持つ小型式神の2体が確認されており、それぞれが独自の動きで敵を攻撃・制圧していました。
この式神はドルゥヴの指示なしに自律的に動くため、術師本人は後方から戦況を俯瞰し、より有利な状況を構築することが可能だったと考えられます。
式神の軌跡が領域に?広域殲滅型の術式の脅威
さらに注目すべきは、式神が通った軌跡がそのまま領域になるという特異な性質です。
領域内に入った敵は切り傷を負う描写があることから、これは自動的にダメージを与える結界型攻撃とも解釈できます。
つまり、式神が暴れ回るほどに戦場は術者にとって有利な空間へと変貌していくという、極めて攻撃的な広域殲滅型術式だったのです。
この性質から、かつて「倭国大乱」で一人で列島を制圧したという伝説も、決して誇張ではないと感じさせられます。
残念ながら作中ではその真価を発揮する前に退場してしまいましたが、設定上は歴代でも屈指の戦術能力を持ったキャラクターといえるでしょう。
ドルゥヴの過去:倭国大乱を制した最古の術師とは
ドルゥヴ・ラクダワラは、その戦闘力だけでなく、作中に登場する術師の中でも最古の存在として描かれています。
登場時の印象は一瞬でしたが、彼が持つ歴史的背景には、呪術廻戦の世界観を深く掘り下げる重要な要素が詰まっています。
ここでは、ドルゥヴが生きた時代とその実績、そして卑弥呼や邪馬台国との関係について考察していきます。
ドルゥヴの時代背景と功績
ドルゥヴは、弥生時代後期に起きた「倭国大乱」において列島を制圧した術師として紹介されています。
「倭国大乱」とは、歴史的に実在した日本最古の大規模な内戦であり、国の統一を巡って各地の勢力が争った混乱期でした。
その中でドルゥヴは、たった一人で列島を制圧した伝説的存在とされ、呪術をもって戦を終結に導いた「宿老」として記されています。
この功績だけでも、彼がいかに圧倒的な力を持っていたかが分かります。
戦乱の中心で呪術によって勝利したという点は、呪術廻戦の世界で語られる術師の中でも非常に特異です。
また、術式と戦術を組み合わせた戦い方は、現代においても通用する実力の高さを示しています。
邪馬台国と卑弥呼との関係性は?
歴史的に、「倭国大乱」の後に出現したのが卑弥呼が統治する邪馬台国です。
ドルゥヴがその乱を制圧したという記述から考えると、彼は卑弥呼の台頭を支えた術師、あるいはその前段階の混乱を収めた英雄と捉えることもできます。
卑弥呼は「鬼道(呪術)」によって民を統治したと記録されているため、ドルゥヴと同様に呪術に通じた存在だったことがわかります。
また、ドルゥヴのような存在がいたからこそ、呪術という権威が政治的支配力を持ち得たとも言えるでしょう。
作中で彼の性格や思想が明かされることはありませんでしたが、戦の時代を呪術で切り抜けた術師としての側面は、今後の作品展開にも影響を与える可能性があります。
なぜ乙骨に瞬殺されたのか?戦闘描写とその意図
死滅回遊編の仙台結界で登場したドルゥヴ・ラクダワラですが、わずか3コマという異例の短さで退場してしまいました。
そのシーンはファンの間でも大きな話題となり、強者として紹介された彼がなぜ瞬殺されたのか、多くの考察が飛び交いました。
ここでは、その演出の意図と乙骨との関係性について掘り下げていきます。
登場からわずか3コマで死亡
ドルゥヴは原作173話にて初登場しますが、登場直後、乙骨憂太に一太刀で首を落とされ、即死という形で退場しています。
戦闘シーンはなく、会話もなし。これまでの「四つ巴の拮抗状態を作った強者」という紹介からは想像もできない展開でした。
このあまりのあっけなさに、読者からは戸惑いや驚きの声が多く上がったのも当然といえるでしょう。
しかしながら、この演出はただの扱いの悪さではなく、物語上明確な目的を持った演出だったと考えられます。
その目的とは、次の見出しで解説する通り、乙骨憂太というキャラクターの描写にあります。
乙骨の強さを際立たせる存在だった?
ドルゥヴが瞬殺された最大の理由は、乙骨の圧倒的な強さを印象づけるためと見て間違いないでしょう。
乙骨は五条悟に次ぐ現代の最強格とされており、その実力を読者に示すためには、相応のインパクトが必要でした。
その役目を担ったのが、ドルゥヴという「古代の伝説的強者」だったのです。
「四つ巴のバランスを崩す存在」としての乙骨の登場は、戦局を一変させる起点となり、物語を一気に加速させました。
また、後に乙骨がドルゥヴの術式をコピーして使用する場面があることから、完全な噛ませキャラではなく、役割を終えたからこその早期退場だったと見ることもできます。
ドルゥヴの受肉の謎|なぜ現代に蘇ったのか
ドルゥヴ・ラクダワラの登場は、その強さや戦歴と並んで、「なぜ彼が現代に蘇ったのか」という大きな謎を残しました。
死滅回遊の受肉泳者の多くは、羂索によって呪物化された術師たちですが、ドルゥヴはその枠に収まらない特異な存在です。
ここでは、ドルゥヴの受肉に関する情報とその考察を紹介します。
二度目の受肉とされるドルゥヴの特異性
作中では、ドルゥヴが「二度目の受肉」であることが明かされています。
つまり彼は、死滅回遊に先立ち、一度現世に蘇った経験を持つということになります。
この点が、他の泳者たちとは決定的に異なり、彼の魂や呪物が非常に強靭かつ独立した存在であることを示唆しています。
通常、受肉には羂索との契約が前提となっていますが、ドルゥヴに関してはそのプロセスが不明のままです。
それゆえに、彼が持つ存在そのものが、呪術廻戦の根幹に関わる別系統の受肉方法を示している可能性があります。
羂索との関係性は?自力で呪物化した可能性
ドルゥヴの受肉は、羂索の計画とは無関係に始まった可能性が高いと考えられます。
というのも、ドルゥヴが生きていたのは弥生時代。羂索が主に活動していた平安時代よりも遥か以前の人物です。
そのため、彼は自らの意志、もしくは卑弥呼のような同時代の呪術者によって呪物化された存在である可能性が高いでしょう。
羂索は後に彼の呪物を手に入れた、あるいは「すでに呪物化されていたドルゥヴを利用した」だけかもしれません。
この点からも、ドルゥヴは死滅回遊の中でも特に異質な泳者であり、彼の存在そのものがシリーズ全体に深みを与える設定であるといえるでしょう。
仙台結界の四つ巴とドルゥヴの立ち位置
死滅回遊の舞台のひとつである仙台結界では、複数の強力な泳者たちが均衡状態を保つ、いわゆる四つ巴の構図が描かれていました。
ドルゥヴ・ラクダワラは、その中でも特に早く脱落した存在ですが、戦力バランスを保つ中心的な存在でもありました。
ここでは、仙台結界における彼の立ち位置や、他の泳者たちとの相性について詳しく見ていきましょう。
石流龍・烏鷺亨子・黒沐死との関係と相性
仙台結界における四つ巴のメンバーは以下の4人です:
- ドルゥヴ・ラクダワラ(古代術師・式神使い)
- 石流龍(呪力砲の使い手)
- 烏鷺亨子(空間を操る術師)
- 黒沐死(くろうるし)(呪霊型の泳者)
この4人は、それぞれが高い戦闘能力を持ち、三竦み(さんすくみ)のような相互関係で均衡を保っていました。
特にドルゥヴは、黒沐死に対して優位とされ、彼の活動中は黒沐死が休眠状態になるほどの相性差を見せています。
逆に石流龍はドルゥヴに対して優位であると推測されており、この相性の連鎖が均衡を保っていた理由でもありました。
三竦みの構図と戦局への影響
この仙台結界における関係性は、単なる戦闘力だけでなく、相性による力のバランスが非常に巧妙に描かれていました。
例えば:
- ドルゥヴ → 黒沐死に強い
- 黒沐死 → 烏鷺亨子に強い
- 烏鷺亨子 → 石流龍に強い
- 石流龍 → ドルゥヴに強い(と推測)
この三竦み+1の四つ巴構図は、乙骨の登場によって崩れます。
ドルゥヴが瞬殺されたことにより、休眠していた黒沐死が動き出し、戦局は大きく変化しました。
このバランスの崩壊は、死滅回遊の中でも屈指のドラマ性を持つ展開であり、ドルゥヴの死は単なる脱落ではなく、戦場の構図を揺るがす起点だったのです。
呪術廻戦におけるドルゥヴの役割と今後の考察
登場から退場までが非常に短かったドルゥヴ・ラクダワラですが、彼の存在は物語において重要な役割を果たしていました。
一見“瞬殺されたモブキャラ”のようにも見えますが、その設定や術式は今後の展開にも繋がる要素を多く含んでいます。
ここでは、彼の役割と、再登場の可能性も含めた考察を行います。
術式のコピーと乙骨の活用
ドルゥヴの退場後、乙骨憂太は彼の術式「自立型式神」をコピーして使用しています。
これは、リカを通じた術式コピー能力によるものですが、ドルゥヴの術式が強力で応用範囲が広いため、乙骨の戦術の幅を広げる武器としてしばしば登場しています。
つまり、ドルゥヴの術式はキャラクターの退場後も、「乙骨の強さ」を示す象徴として物語内に生き続けているのです。
また、この術式が再び戦局に影響を与える場面も今後十分に考えられます。
乙骨がコピーした術式の中で、実用性が高く戦略的な意味を持つものの一つとして、今後も扱われる可能性は高いでしょう。
今後のストーリーで再登場の可能性は?
現時点ではドルゥヴの魂は消滅したとされていますが、「死滅回遊=呪物を用いた受肉」という構造を考えると、彼の魂や呪力が完全に消えたとは限りません。
受肉術師は契約や意志によって現世に再登場する余地があり、ドルゥヴのように二度目の受肉が可能な存在は、さらに特殊です。
そのため、彼が何らかの形で再び登場する、あるいは過去の回想や歴史解説の中で重要な情報を持つキャラとして描かれる可能性は十分にあります。
また、彼の過去や術式の由来が他の術師や呪霊の設定と繋がってくることで、死んだはずのキャラが物語を左右する展開も予想されます。
ドルゥヴは、単に一話限りの噛ませ役ではなく、呪術廻戦の歴史そのものと結びつくキャラクターとして位置づけられているのです。
呪術廻戦のドルゥヴまとめ|強さ・術式・謎を総復習
ドルゥヴ・ラクダワラは、登場時間こそ短かったものの、その背景・能力・設定のすべてが呪術廻戦の世界観を深める重要なピースとなっています。
死滅回遊・仙台結界での四つ巴の一角として、歴史ある術師の重みと圧倒的な戦闘力を持ちながらも、乙骨によって瞬時に退場したことで、強さと時代の移り変わりの象徴ともいえる存在でした。
最後に、これまでの内容を整理して振り返っておきましょう。
- 術式:2種類の自立型式神を操る領域型の殲滅術式
- 過去:弥生時代の「倭国大乱」を制圧した最古の術師
- 受肉:二度目の受肉という異例の存在で、羂索と直接の関係は不明
- 役割:乙骨の実力を示す演出と、術式の継承を通じて間接的に物語へ関与
わずか数ページで退場したドルゥヴですが、その背後には圧倒的な存在感と情報が詰まっていました。
今後、彼のような古代術師たちが物語にどう影響していくのかも、呪術廻戦を読み解く上での一つの鍵となるでしょう。
「わずか3コマで終わるには惜しい男」──それがドルゥヴ・ラクダワラなのです。
- ドルゥヴは弥生時代の伝説的術師
- 倭国大乱を一人で制圧した過去を持つ
- 術式は自立型式神による広域制圧型
- 式神の軌跡が領域になる特殊能力
- 仙台結界で四つ巴の均衡を保っていた
- 乙骨に登場直後、瞬殺される展開に
- 術式は乙骨にコピーされ後の戦闘で活用
- 二度目の受肉という異例の設定も判明
- 再登場や術式の背景が物語に影響する可能性も


