『呪術廻戦』に対するパクリ疑惑がネット上で再燃しています。中でも注目を集めているのが、『るろうに剣心』をはじめとする過去の名作との“似すぎ”シーンの数々です。
作者の芥見下々氏はこれらを「オマージュ」としていますが、構図やキャラ設定まで酷似している場面に対し、盗作と捉える読者も少なくありません。
本記事では、呪術廻戦が似ていると指摘されている作品とシーンを具体的に比較し、るろうに剣心やブリーチ、HUNTER×HUNTERとの共通点を掘り下げて解説します。
この記事を読むとわかること
- 呪術廻戦とるろうに剣心のキャラ類似点
- 過去の名作との“構図・設定”の共通点
- パクリとオマージュの違いと受け止め方
呪術廻戦とるろうに剣心の“似ているシーン”は本当にパクリなのか?
人気作品『呪術廻戦』と、90年代を代表するバトル漫画『るろうに剣心』の間に“ビジュアルの類似性”が指摘されています。
とくに、登場キャラクターの見た目や構造的な演出において、「あれ?」と感じる共通点がファンの間で話題になっています。
ここでは、その代表例として挙げられる2つの比較を通じて、本当に「パクリ」なのか、あるいは「オマージュ」なのかを検討していきます。
与幸吉(メカ丸)と志々雄真の類似点
京都校の与幸吉(通称:メカ丸)は、体の大部分が機械化されたキャラクターで、戦闘時は鋼鉄の巨体を操ることで知られています。
このメカ丸のビジュアルが、『るろうに剣心』の敵キャラ志々雄真実に似ているとされており、特に顔面に包帯を巻いた外見が酷似しています。
志々雄は全身を包帯で覆い、そこから覗く目や髪の毛が独特の印象を与えるキャラでしたが、メカ丸もまた同じような“巻き付け感”を醸し出しています。
この外見の一致については、ネット上でも「意識してるのでは?」という声があり、画像比較を行うファンも多数見られます。
ただし、キャラクターの性格や背景設定には大きな違いがあり、完全に「コピー」と断定するには難しい点もあるのが現実です。
五条悟と雪代縁のビジュアル比較
次に挙げられるのが、呪術廻戦屈指の人気キャラである五条悟と、『るろうに剣心』の終盤に登場する雪代縁との比較です。
五条の白髪・クールな雰囲気・ミステリアスな強キャラ感は、雪代縁の登場時の印象と非常に似ているとされます。
特に、目元を隠すアイマスクと、時折見せる切れ長の目、スリムな体格に至るまでのビジュアル構成に既視感を抱く読者も多いようです。
さらに、物語の中で“過去に因縁を持つ強者”というポジションも似通っており、「モデルにしたのでは」と言われても不思議ではない一致が見受けられます。
もちろん、それぞれの物語で果たす役割や展開は異なるため、単なる“影響”の範囲とも解釈できますが、視覚的なインパクトの重なりは見逃せないポイントでしょう。
このように、呪術廻戦とるろうに剣心のキャラ間には明確な類似点が存在するものの、それをどう捉えるかは読者の解釈次第です。
単なるオマージュなのか、創作の限界による既視感なのか、あるいは意図的なデザイン模倣なのか——。
次の見出しでは、他作品との関係性も見ながらその全体像を整理していきます。
呪術廻戦が参考にした(?)他の名作マンガ一覧とそのシーン
『呪術廻戦』は魅力的なキャラクターや戦闘描写、練り込まれた設定で多くのファンを惹きつけていますが、他作品との“類似性”が繰り返し指摘されているのも事実です。
ここでは、ネットや読者の間で特に話題になっている3作品に絞り、それぞれの共通点を具体的に見ていきます。
単なる影響か、それとも創作の“越えたライン”なのかを考察する上で、参考になる比較ポイントです。
バガボンド:緊迫の“よだれ”シーンはオマージュか
井上雄彦氏の名作『バガボンド』には、宮本武蔵が極限の集中状態に入り“よだれを垂らす”という有名なシーンがあります。
これは、死と隣り合わせの戦いの中で、五感を極限まで研ぎ澄ませた一瞬を象徴する名場面です。
一方、『呪術廻戦』でも主人公・虎杖が強敵との死闘の中で、まさに同様の状況下でよだれを垂らす描写が描かれています。
演出意図や背景状況まで酷似しており、「これは意識している」と考えるファンが多数存在します。
ただし、決定的なセリフや構図まで一致しているわけではなく、演出的オマージュとして捉えることも可能です。
幽遊白書:領域(テリトリー)と領域展開の共通点
1990年代の名作『幽遊白書』の終盤では、「領域(テリトリー)」という特殊能力が登場します。
これは、能力者が有利になる空間を作り出し、その中で勝負するという能力で、戦闘スタイルそのものを変えるものでした。
『呪術廻戦』における「領域展開」は、まさにこの「テリトリー」と酷似しており、“空間を展開し、その中で有利なルールを作る”という点が一致しています。
作者の芥見下々氏が冨樫義博作品の大ファンであることは公言されており、ここはリスペクトを込めた構造的オマージュとして受け取る向きもあります。
しかし、それにしても多くの読者が「どこかで見たような」と感じてしまうのは事実です。
ブリーチ:構図・セリフ・演出まで“そっくり”な場面
特に指摘が多いのが、久保帯人氏による『BLEACH』とのビジュアル・演出面の一致です。
キャラクターのポーズ、構図、カメラワーク、さらにはセリフ回しに至るまで「似ている」という声が後を絶ちません。
中でも有名なのが、敵キャラの登場シーンでの斜め構図・高所からの目線など、BLEACHの象徴的演出が呪術廻戦でも何度も使われている点です。
芥見先生はBLEACHファンを公言しており、「参考にしている」と明言していることから、ファンの中でも「これはもう完全に影響下だ」と納得する声もあります。
ただ一方で、「ここまでやるとパクリでは?」という疑念も拭いきれない部分があります。
以上のように、『呪術廻戦』は多くの作品の影響を感じさせるシーンを有しており、漫画ファンなら既視感を覚える場面が随所にあります。
それが“許される影響”なのか“超えてはいけない線”なのかを見極めるのは、読者それぞれの判断に委ねられるのかもしれません。
HUNTER×HUNTERとの関係は偶然か必然か?
『呪術廻戦』と『HUNTER×HUNTER』の関係については、構成・設定・能力の表現において共通点が多すぎると長年指摘されています。
作者の芥見下々氏が冨樫義博作品の大ファンであることは有名で、本人もそれを隠すことなく公言しています。
この見出しでは、両作品の設定やキャラ演出における具体的な類似点を2つの観点から比較し、その関係性が「偶然」なのか「必然」なのかを考えていきます。
念と呪力、制約と縛りの設定比較
『HUNTER×HUNTER』のバトルシステムの中心にあるのが、「念」というエネルギーの概念です。
これは個々の才能に応じて能力を作り出すものであり、特に有名なのが「制約と誓約」というルールです。
自らに不利な条件を課すことで能力を強化するというこの仕組みは、『呪術廻戦』の「縛り」という設定と極めて似ています。
たとえば、ある条件を相手に提示し、守ることで呪力が強化されるというプロセスは、HUNTER×HUNTERの爆弾魔(ゲンスルー)などと同様です。
この“自分に縛りを課して能力を引き上げる”という概念自体は創作において普遍的とも言えますが、設定構成の順序や説明方法まで酷似している点には注目せざるを得ません。
キャラ構成・バトル演出の類似性
『HUNTER×HUNTER』の魅力の一つに、“チームバトルの駆け引き”や“知略戦”があります。
『呪術廻戦』でもこの手法が頻繁に使われており、特に渋谷事変編では念能力者同士の頭脳戦を彷彿とさせる描写が随所に見られます。
また、キャラ構成としても、“何を考えているかわからない冷静沈着な強キャラ”が五条悟とヒソカで似ているという意見や、虎杖の「黒閃」とゴンの「ジャジャン拳」の演出に共通性を見出す声もあります。
さらに、「説明口調のセリフ」や「横顔の構図」「間の取り方」など、画面構成においても影響を強く感じるという意見が多いです。
こうした一致点は偶然というには数が多すぎ、明確な影響関係のもとに成り立っていると考えるのが自然でしょう。
それが“パクリ”か“進化した形での引用”なのかは、読者の受け取り方次第で大きく変わります。
ただ、冨樫作品からの吸収が作品を魅力的にしていることは間違いなく、呪術廻戦の“面白さの源泉”の一つと見ることもできるのではないでしょうか。
パクリとオマージュの違いはどこにある?
漫画やアニメの世界では、“影響を受けた作品”が創作に取り入れられることは珍しくありません。
しかし、近年の『呪術廻戦』に関しては、「これはオマージュではなくパクリでは?」という指摘が数多く寄せられています。
では、パクリとオマージュの線引きは一体どこにあるのでしょうか。
ファンの受け止め方とSNSでの反応
SNSや掲示板などでは、呪術廻戦に対する意見は大きく分かれています。
- 「似ていても面白ければ問題ない」という肯定派
- 「構図・台詞・設定が一致しすぎていて不快」という否定派
たとえば、五条悟の「俺、最強だから」という決め台詞が、『BLEACH』の“俺が月牙天衝だ”と似ているという指摘があった際も、引用を楽しむ層と嫌悪感を抱く層が明確に分かれました。
また、漫画に詳しい読者ほど「どこから引用しているか」に敏感であり、画像比較などを積極的に共有する動きも見られます。
その一方で、「ジャンプ作品は影響し合って当然」という声もあり、“業界全体のカルチャー”として受け入れる空気も存在します。
呪術廻戦の魅力と“影響”をどう評価すべきか
たしかに、『呪術廻戦』には過去作品からの影響が色濃く見える場面が多いです。
ただし、それらの要素を組み合わせて再構築し、独自の世界観やキャラ魅力を生み出している点も見逃せません。
むしろ、すでに確立された名作から“何をどう組み込むか”という手腕こそ、現代作家に求められる技術とも言えます。
問題は、それが“元ネタの痕跡をそのまま残してしまっている”点にあります。
一部では、「引用元に対するリスペクトや脚注があれば印象が違った」という声もあり、“受け手に誠実であるか”が評価を分けるカギとなっています。
結局のところ、パクリとオマージュの違いは、どれだけ工夫を加えて自分の作品に昇華させているか、そして読者の信頼を裏切らない姿勢にあるのかもしれません。
呪術廻戦が今後、これらの声にどう向き合っていくかが、作品としての成熟を測る一つのポイントとなるでしょう。
呪術廻戦とるろうに剣心の類似表現をどう見るか?まとめ
『呪術廻戦』と『るろうに剣心』の類似点をはじめ、多くの名作との共通性を検証してきました。
その結果、確かに“似ている”シーンや設定は数多く存在することが明らかとなりました。
しかし、それを「盗用」と捉えるか「創作の一部」とみなすかは、受け手側の視点によって大きく異なります。
たとえば、るろうに剣心の志々雄真と与幸吉(メカ丸)のビジュアル類似、雪代縁と五条悟の印象の重なりなど、構図や設定レベルでの共通点は「オマージュ」として片付けるには大胆すぎると感じる方もいるかもしれません。
一方で、それらを単なるインスピレーションの延長と捉えることで、“作品同士のつながり”を楽しむという新しい視点も生まれています。
また、呪術廻戦自体が非常に高い人気と物語の緻密さを誇る作品であることは否定できません。
他作品から要素を取り入れつつも、それを独自の構成やキャラクターで再解釈する手法は、現代の漫画表現として一定の評価を受けているのも事実です。
最後に重要なのは、引用やオマージュを通して“何を描きたいのか”が明確であること。
それが読者の共感を呼び、作品全体の評価にもつながるからです。
今後、呪術廻戦がその影響をどう昇華し、“次の名作”へと進化していくかに注目していきたいところです。
この記事のまとめ
- 呪術廻戦とるろうに剣心のビジュアル類似に注目
- バガボンドや幽白など他作品との共通点を比較
- HUNTER×HUNTERとの設定的な酷似も多数
- パクリかオマージュかを判断する視点を解説
- 読者による賛否やSNSでの反応も紹介
- 引用の境界線と創作における姿勢の重要性


