【呪術廻戦】脹相は虎杖のお兄ちゃん？存在しない記憶の真相を徹底解説！

『呪術廻戦』の中でも異彩を放つキャラクター、脹相（ちょうそう）。

彼は呪胎九相図として登場しながら、虎杖悠仁に対して「お兄ちゃん」としての感情を抱くという、異例の展開で注目を集めました。

この記事では、「脹相は本当に虎杖のお兄ちゃんなのか？」「なぜ“存在しない記憶”が流れたのか？」といった疑問に答える形で、二人の複雑な関係と脹相の魅力を徹底的に解説していきます。

脹相は虎杖悠仁の“お兄ちゃん”なのか？血の繋がりと存在しない記憶の真実

「お兄ちゃん」として強烈な印象を残す脹相。

呪胎九相図として生まれた彼が、虎杖悠仁との戦闘中に突如「兄」としての自覚を得た背景には、術式と出生の秘密が深く関係しています。

本章では、脹相が虎杖を“弟”だと確信した理由と、「存在しない記憶」が流れた真相に迫ります。

脹相に“存在しない記憶”が流れた理由とは？

渋谷事変において、脹相と虎杖は駅構内で激突しました。

戦いの末、虎杖が倒れた瞬間、脹相の脳内に“存在しない記憶”が溢れ出したのです。

その記憶には、脹相・壊相・血塗・虎杖が兄弟として食卓を囲む、ありえないはずの光景が映し出されていました。

これはただの幻想ではありません。

この記憶が流れた理由について、作中では虎杖の“死”を脹相が強く感じ取ったことによる術式の副作用とされています。

血の繋がった弟の死を感じ取った瞬間、術式が“兄弟の記憶”を強制的に生み出したとも考えられます。

これは、単なる妄想とは異なる、術式に起因する「術者としての感知現象」の一環なのです。

術式「赤血操術」による兄弟の感知能力

脹相の持つ術式「赤血操術」は、加茂家に伝わる血を操る術式です。

脹相はこの術式の特性上、血の繋がった兄弟の生死や異変を感知することができます。

作中でも、弟・壊相と血塗の死を遠方で感じ取る描写がありました。

このことから、脹相にとって「血が繋がっている」かどうかは、明確にわかる事実であり、単なる感情論ではありません。

虎杖に対しても、その“死”を感じた瞬間に術式が反応したことで、彼を「弟」として認識する確信が生まれたのです。

結果として「存在しない記憶」という形で、兄弟としての情景が脳内に映し出されたわけです。

この一連の現象は、術式と脹相自身の意識の両方によって導かれた、理と感情の交差点だったのかもしれません。

脹相と虎杖はなぜ兄弟とされるのか？呪胎九相図と羂索の因縁

脹相と虎杖悠仁は、外見も性格も異なる存在です。

それにも関わらず、彼らが“兄弟”とされる理由は、呪術廻戦の根幹に関わる「呪胎九相図」と「羂索（けんじゃく）」の存在にあります。

この章では、二人の共通点や誕生の秘密から、なぜ脹相が虎杖を弟と認識するのかをひも解いていきます。

呪胎九相図の誕生と加茂憲倫（羂索）との関係

脹相は“呪胎九相図”の1番として誕生しました。

呪胎九相図とは、明治時代に呪霊を孕む体質の女性に、加茂憲倫（正体は羂索）が手を加えて生み出した人間と呪霊の混血児です。

母親は身に覚えのないまま、九度の妊娠と堕胎を繰り返し、九体の呪胎が生成されました。

この過程で羂索は自らの血を混ぜていたため、脹相たち九相図は術式「赤血操術」を継承しています。

つまり脹相は、呪霊と人間、そして羂索の血を引く、特異な存在なのです。

この“第三の親＝羂索”の存在こそが、虎杖との兄弟関係につながる鍵となります。

虎杖悠仁の出生に秘められた謎

一方、虎杖悠仁の出生にも羂索が深く関与していることが判明しています。

作中で描かれた母・香織の額には、羂索の術式による縫い目が存在しており、彼女は乗っ取られていたことが示唆されました。

つまり、虎杖悠仁は羂索が意図的に生み出した子供である可能性が高いのです。

脹相たち呪胎九相図と虎杖は、母親も出自も異なるものの、“羂索の血”を介して繋がっているという点で兄弟と見なすことができます。

さらに、脹相が虎杖の“死”を感知できたという事実は、両者の間に血の繋がりがある可能性を強く裏付けるものとなりました。

このように、二人の兄弟関係は形式的なものではなく、術式や血縁、そして生み出した存在の意志によって繋がれた、呪術的な兄弟といえるのです。

脹相が“お兄ちゃん”を名乗る理由とその行動

虎杖との戦いを経て、脹相は突如として「お兄ちゃん」として覚醒しました。

読者にとってはコミカルに見えるその言動も、実は彼なりの贖罪と覚悟の現れなのです。

この章では、脹相が“お兄ちゃん”を名乗るに至った経緯と、その後の行動を詳しく見ていきます。

渋谷事変以降の脹相の豹変と虎杖との関係

渋谷事変において、脹相は虎杖を敵として全力で殺しにかかっていました。

しかし、「存在しない記憶」を通じて弟としてのつながりを感じ取ったことで、戦う理由を失います。

その後、彼は敵であった虎杖の味方となり、羂索と対峙する場面で「俺はお兄ちゃんだぞ！」と叫び、虎杖を守る側に立ちました。

この豹変には、弟たちを失った過去や、人間を多く殺めてきた自責の念が強く影響しています。

虎杖を守ることは、兄としての務めであると同時に、自分自身を救う行為でもあったのです。

虎杖への献身と“お兄ちゃん”の自覚

以降の脹相は、一貫して虎杖を“弟”として扱い、彼を支える存在になります。

例えば、夏油（羂索）との戦いでは、自らを犠牲にしてでも虎杖を守る姿勢を見せています。

虎杖に「いいのか？ 俺はオマエの弟も殺したんだぞ」と問われた際も、「赦す赦さないじゃない、兄弟とはそういうものだ」と返しており、過去を受け入れた上で兄として生きる覚悟が見て取れます。

また、戦闘中に虎杖を「弟だ！」と叫ぶ一方で、虎杖から「とりあえず兄貴ってことで…」と紹介された際には、涙を流して喜ぶほど感情をあらわにしています。

こうした一連の行動は、ただのおふざけではなく、弟を守りたいという本気の思いによるものであり、脹相にとっての「お兄ちゃん」とは、まさに生きる意義そのものなのです。

脹相というキャラクターの魅力と人気の理由

登場初期の脹相は、呪霊側の敵キャラとして、冷酷で不気味な存在でした。

しかし、物語が進むにつれて、弟を想う優しさや、“お兄ちゃん”としての覚悟が描かれ、ファンからの支持を一気に集めるようになります。

この章では、脹相がなぜ愛されるキャラとなったのかを掘り下げていきます。

残酷な呪霊から心優しき兄へと変化した理由

脹相はもともと、人間と呪霊の混血であり、呪胎九相図という異質な存在でした。

そのため、初登場時は弟・壊相と血塗の仇を討つべく、虎杖を敵視し徹底的に殺そうとする残忍な性格として描かれます。

しかし、その根底には、常に「弟を守りたい」という強い感情がありました。

この弟思いの一面が、「存在しない記憶」をきっかけに覚醒し、“お兄ちゃん”としての人格へと変化します。

脹相の変化は、ただのギャグではなく、彼が何を守りたいのか、何を後悔してきたのかという内面の葛藤に根差した、本質的な成長なのです。

ファンに愛される“お兄ちゃん”キャラの確立

脹相が多くの読者に愛される理由は、ギャグとシリアスの絶妙なバランスにあります。

虎杖に向かって真顔で「俺はお兄ちゃんだ！」と叫んだり、感極まって泣きながら抱きしめようとしたり、一見おかしな行動をとる場面も多く描かれています。

しかし、その根底には常に弟を想う気持ちがあるため、読者は笑いながらも感情移入してしまうのです。

また、彼の言動にはどこか不器用ながらも誠実さがあり、“真面目にお兄ちゃんをやっている姿”が共感と笑いを呼びます。

こうしたユニークな立ち位置が、脹相を「推せるキャラ」へと押し上げた最大の要因と言えるでしょう。

脹相の後悔と最期の決意――呪いとして生きる彼の選択

“お兄ちゃん”として生きる決意を固めた脹相ですが、その心には消えない後悔が残っていました。

弟たちの死、過去の罪、そして虎杖への償い――。

この章では、脹相が最期に選んだ道と、その背景にある静かな覚悟について追っていきます。

弟たちを守れなかったことへの後悔

脹相は「呪いとして生きる道」を選んだことで、人間社会から隔絶された存在となりました。

彼がその道を選んだのは、異形の姿をした弟たちが、人として苦しまないようにするためでした。

しかし結果的に、壊相と血塗は虎杖に祓われ、命を落とすこととなります。

その後悔は深く、脹相は「きっと俺たちは4人で戦う運命だった」と語り、もし違う選択をしていれば未来は変わっていたと自責します。

虎杖に対しても「俺が楽をしたせいで、お前をひとりにした」と言い、自らの選択の重さを受け止めていました。

虎杖の未来のために命を懸けた最後の戦い

脹相は最終的に、羂索が潜む薨星宮の護衛として残ることを決意します。

そこには、「虎杖の未来を守るためには、羂索を倒さなければならない」という明確な目的がありました。

「俺は信念もなく人を殺した。だから、悠仁とは生きられない」と語る脹相の決断は、命で贖う覚悟そのものでした。

出発する虎杖に対して「…死ぬなよ」と言葉をかけ、静かに背中を見送る姿は、多くの読者の胸を打ちました。

脹相の選んだ「呪いとしての生」には、人間らしい愛情と後悔が込められていたのです。

呪術廻戦における“お兄ちゃん”脹相の魅力と関係性のまとめ

脹相は初登場時こそ敵として描かれましたが、物語が進むにつれてその印象は大きく変わっていきました。

今では“お兄ちゃん”という愛称で親しまれるキャラクターとなり、多くのファンの心を掴んでいます。

ここでは、これまで紹介してきた脹相の背景や行動を振り返り、その魅力を総括します。

まず、脹相の原点は弟を守ることでした。

呪胎九相図として生まれ、過酷な運命を背負った彼は、壊相や血塗との絆をなにより大切にしていました。

その弟たちを失ったことが、彼の心に深い傷を残し、虎杖に対して“兄”としての感情を重ねるきっかけとなったのです。

また、術式「赤血操術」の感知能力や、羂索という共通の“親”の存在により、脹相と虎杖は“血の繋がった兄弟”であるという事実も物語を大きく動かしました。

兄として虎杖を守り抜こうとする姿、過去の罪を悔いながらも前を向く姿勢――。

それらがすべて、脹相というキャラクターの奥深さと人間味を生み出しています。

“ギャグ”としても“泣ける存在”としても成立する稀有な存在、それが脹相。

単なる敵キャラにとどまらず、呪術廻戦の感情的な核を担う存在として、今後も多くの読者の記憶に残り続けることでしょう。