呪術廻戦に登場するキャラクター「万(よろず)」は、宿儺と深い因縁を持つ平安時代の術師です。
本記事では、「万」の術式や領域展開の能力、宿儺との複雑な関係性、さらに津美紀への受肉の理由や死滅回游での最期の戦いまでを網羅的に解説します。
呪術廻戦の物語をより深く理解したい方や、「万」というキャラクターの背景を知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むとわかること
- 呪術廻戦「万」の術式と領域展開の詳細
- 万が津美紀に受肉した理由とその真相
- 宿儺との関係性と死滅回游での壮絶な戦い
「万」の術式と領域展開の正体とは?
「万(よろず)」は、呪術廻戦の中でも特異な能力を持つ術師として描かれています。
特にその構築術式と呼ばれる能力、さらに領域展開「三重疾苦(しっくしっくしっく)」の性質は、作中屈指の異質さを誇ります。
この章では、万の術式とその戦術的応用について詳しく解説していきます。
構築術式の特徴と限界
万の生得術式である構築術式は、禪院真衣と同様に「物質を作り出す術式」です。
ただし万は、自身が認識できるあらゆる物質を再現可能という点で真衣とは次元が異なります。
しかし、この術式は呪力の消費が激しく、継戦能力に限界があるという明確な弱点も抱えています。
肉の鎧と液体金属による応用戦術
万は燃費の悪さという弱点を克服するため、昆虫の生体機能にヒントを得て「肉の鎧」を構築します。
この肉の鎧は、防御力・攻撃力・機動力を劇的に向上させ、彼女を一流の近接戦闘術師へと押し上げました。
さらに、遠距離戦をカバーする液体金属の自在操作をも加えることで、万はあらゆる戦況に対応可能な万能型の戦闘スタイルを確立しました。
領域展開「三重疾苦」の必中効果と威力
万の領域展開「三重疾苦」は、術式の応用にとどまらず、圧倒的な攻撃性能を持ちます。
この技では、液体金属で構成された「完全な真球」に必中効果を付与するという極めて危険な構造になっています。
真球は「無限の圧力」を持ち、接触した対象は跡形もなく消し飛ぶという性質を持つため、万の領域展開はまさに「必中必殺」と言えます。
「万」が津美紀に受肉した理由とその経緯
呪術廻戦の死滅回游編で突如明らかになった「万」という存在。
彼女は伏黒恵の姉である伏黒津美紀に受肉していましたが、その裏には明確な意図と目的がありました。
この章では、万が津美紀に受肉した経緯と、その中で何を考えて行動していたのかを詳しく解説していきます。
伏黒津美紀として過ごした期間
万は死滅回游のルールにより、津美紀の肉体に受肉することとなります。
受肉後すぐに正体を明かすことはせず、一定期間は津美紀として伏黒兄妹の関係を演じていたことが確認されています。
その目的は、死滅回游が進行する中で、自身が有利なタイミングで本性を現すための布石でした。
正体を明かしたタイミングとその背景
万が正体を明らかにしたのは、伏黒恵から死滅回游の得点を譲渡されたタイミングです。
これは、点数の譲渡によりルールを改変する権利を得ることを意味し、万にとって宿儺との再会に向けた決定的な準備となりました。
彼女はこの瞬間を狙い、津美紀の姿を脱ぎ捨て、本来の姿を現します。
津美紀の自我と万の目的
万は受肉した際、器である津美紀の自我を殺し、完全に乗っ取ったとされています。
この時点で津美紀は事実上死亡しており、万が自由にその身体を使える状態となっていました。
その目的はただ一つ、宿儺と再会し、戦い、そして結婚するという歪んだ執着を果たすためだったのです。
「万」と宿儺の関係性と愛情の執着
「万」というキャラクターを語るうえで欠かせないのが、宿儺(すくな)への異常な執着です。
彼女の生き方、戦い方、そして最期に至るまで、すべてが宿儺との関係性を軸に動いていました。
この章では、1000年にわたる万の宿儺への歪んだ愛と、それがもたらした狂気について深掘りしていきます。
1000年前から続く一方的な愛
万は宿儺と同じ平安時代の術師であり、当時から宿儺に対して深い愛情を抱いていました。
ただしそれは純粋な恋愛感情ではなく、崇拝と執着が混ざった狂信的な想いです。
万にとって宿儺は、戦うべき相手であると同時に、人生の目的そのものとなっていました。
宿儺に勝って結婚したいという願望
死滅回游編において万は、自身の強さを証明するために宿儺と戦うことを望みます。
しかしその目的は、「勝ったうえで結婚する」という縛りを結ぶという、常識外れのものでした。
彼女にとって宿儺との戦いは、恋愛感情の最終形であり、命を懸けて挑むほどの価値を持っていたのです。
宿儺の無反応が招いた激怒と暴走
しかし、宿儺は万の想いに対し、一切の感情もリアクションも見せませんでした。
それどころか、自身の術式すら使わず、伏黒の「十種影法術」で対応するという冷淡な態度をとります。
これに激昂した万は、肉の鎧を纏い、領域展開を発動するなど全力を出しますが、その結果、さらなる悲劇へと突き進んでいくことになります。
死滅回游での万と宿儺の戦いの全貌
死滅回游編における万と宿儺の戦いは、呪術廻戦でも屈指のインパクトを誇る戦闘のひとつです。
万の異常な愛情と執念、宿儺の冷酷さ、そして二人の術師としての力が交錯するこの戦いは、呪術廻戦の物語において重要な転機となりました。
ここでは、その一連の流れを時系列で丁寧に解説していきます。
結界のルールを操作し宿儺へ向かう
伏黒から得点を譲渡された万は、死滅回游の総則を改変する権限を得ます。
その結果、「結界の出入りを自由にする」というルールを追加し、宿儺がいる「仙台結界」へと移動しました。
この動きからも、万がいかに宿儺との戦いに全てを賭けていたかが窺えます。
真球による必中攻撃と宿儺の切り札
宿儺と対面した万は、開口一番に「貴方を殺すのは私でありたい」と告げ、戦闘を開始します。
肉の鎧を纏い、液体金属を操る構築術式で宿儺を圧倒しようとしますが、宿儺は自らの術式を使わず伏黒の技で応戦。
怒り狂った万は、ついに領域展開「三重疾苦」を発動し、必中の真球による攻撃を繰り出します。
魔虚羅との戦闘と万の最期の言葉
しかし宿儺はこの戦いの切り札として、最強の式神「魔虚羅」を召喚。
魔虚羅は真球の性質を即座に学習し、それを破壊。万の領域展開は破られ、彼女は命を落とします。
死の間際、万は「これあなたに」「私だと思って後生大事に使ってね」と何かを宿儺に手渡しました。
それが何であったのかは今も作中で明言されていませんが、彼女の歪んだ愛情が最後まで消えなかったことは明白です。
呪術廻戦における「万」という存在のまとめ
「万(よろず)」は、呪術廻戦の中でも特異な思想と圧倒的な実力を併せ持ったキャラクターです。
術師としての能力はもちろん、その狂気的なまでの宿儺への執着、そして自我を消してまで目的に突き進む姿勢は、読者に強烈な印象を残しました。
この章では、「万」という存在が物語に与えた影響と、その魅力を振り返ります。
狂気と執着が生んだ異色の術師像
万の最大の特徴は、理性よりも欲望と執着で動く人物像にあります。
術式の応用力や戦略性の高さからは、冷静な思考力も見て取れますが、その根底には常に宿儺への歪んだ愛が存在していました。
この狂気こそが万の行動原理であり、彼女を唯一無二のキャラに押し上げた要因です。
物語に与えた影響と読者への印象
万の登場は、死滅回游編というシリーズの転換期に大きなインパクトを与えました。
津美紀というキャラクターの喪失、宿儺の冷酷さの再確認、そして魔虚羅の圧倒的な力の再認識と、数々の重要要素を読者に提示する役割を果たしました。
彼女の最期に込めた言葉や行動には、どこか切なさと人間臭さも漂い、読者の心に強く残るキャラクターとなっています。
この記事のまとめ
- 万は平安時代の術師で宿儺に執着する存在
- 術式は物質再現の構築術式で応用力が高い
- 肉の鎧や液体金属で戦闘能力を強化
- 領域展開「三重疾苦」は必中必殺の真球攻撃
- 津美紀に受肉し、自我を消して活動していた
- 宿儺への愛から戦いと結婚を望んだ
- 戦闘では魔虚羅に敗れ死亡
- 最期に宿儺へ何かを託し退場


