『呪術廻戦』には「BLEACH」や「HUNTER×HUNTER」など、多くの人気作品の“元ネタ”が含まれていると噂されています。
SNSや匿名掲示板では「呪術廻戦のオマージュが多すぎる」「パクリでは?」といった声も上がる中、その真相を知りたいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、『呪術廻戦』に登場するオマージュや元ネタの具体例を紹介しつつ、なぜそれらが「パクリではない」とされ、むしろ読者や業界内で“許容”されているのかを詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- 『呪術廻戦』に登場する元ネタ・オマージュの具体例
- BLEACHやHUNTER×HUNTERなどとの共通点と違い
- オマージュが“パクリ”とされず許容される理由
呪術廻戦の元ネタで一番多いのはBLEACHとHUNTER×HUNTER
『呪術廻戦』が多くのファンを魅了する一方で、その作風や構図には「既視感がある」と感じる読者も少なくありません。
中でもとりわけ頻繁に話題に上がるのが、『BLEACH』と『HUNTER×HUNTER』との類似点です。
これらの作品から受けた影響は、単なる偶然ではなく、明確に“オマージュ”として意図されたものだと読み取ることができます。
構図の一致やキャラ設定の類似は明白
『BLEACH』と『HUNTER×HUNTER』に共通するのは、構図や感情表現、能力設定における明確な共通点です。
たとえば、虎杖悠仁が重傷を負って倒れる構図は、『BLEACH』で黒崎一護が朽木白哉に倒された場面と酷似しているとされます。
また、七海建人が手で顔を覆う単行本表紙の構図は、『HUNTER×HUNTER』のクロロ=ルシルフルの表紙とポーズから巻数まで完全一致しており、これは意図的なリスペクトだと捉えられています。
作者が影響を公言している作品とは?
作者・芥見下々先生はインタビューやファンブックで、自身が影響を受けた作品を堂々と語っています。
久保帯人(BLEACH)、冨樫義博(HUNTER×HUNTER)、岸本斉史(NARUTO)など、ジャンプ黄金期の作家たちがその名を連ねます。
これらの影響は、模倣というよりも“創作の基盤”としての敬意が前提であり、読者の多くもそれを理解した上で作品を楽しんでいるようです。
「パクリが多すぎ」と言われるシーンを具体比較
『呪術廻戦』には数多くの名作漫画との“類似点”が指摘されており、一部では「パクリが多すぎる」とまで言われています。
しかし実際には、ファンによる観察と考察が生んだ「元ネタ探し」こそが、その背景にあります。
ここでは代表的な作品との比較を通して、どこまでがオマージュでどこからが問題視されるのかを検証します。
BLEACHとの共通点:キャラの感情や構図の再現
特に多くの読者が指摘しているのが、『BLEACH』とのシーン構成やキャラクターの感情表現の類似です。
たとえば禪院真依が姉・真希に感情をぶつけるシーンは、砕蜂が四楓院夜一に心情を吐露するシーンと非常に似ていると話題になりました。
また、呪詛師・粟坂二良のビジュアルが『BLEACH』の兵主部一兵衛と酷似しており、その容姿・構図の共通点は一目でわかるレベルです。
HUNTER×HUNTERとの共通点:誓約と制約 vs 呪術の縛り
『呪術廻戦』の根幹にある「縛り」の概念は、『HUNTER×HUNTER』における「誓約と制約」に極めて近い構造です。
どちらもリスクを負うことで能力を引き上げるという理屈であり、バトル漫画の中でも非常に知的な戦略を生む仕組みとなっています。
この点においては、作者が冨樫義博からの影響を公言しているため、明確なリスペクトであると見なされています。
幽遊白書やNARUTOなど他ジャンプ作品との共通性
その他のジャンプ作品との類似も多く、たとえば『幽遊白書』の暗黒武術会編と重なるような戦闘シーンや演出も指摘されています。
また、五条悟とNARUTOの「はたけカカシ」は、目隠しをしている最強の師匠キャラという共通性があり、構造的な一致が見られます。
さらに、「主人公+男2・女1の3人チーム」構成や、主人公が体内に強力な“異物”を宿している設定など、ジャンプ王道の“あるある”が集約されている点も見逃せません。
オマージュとパクリの違いとは?呪術廻戦はどこに位置するのか
『呪術廻戦』に関する議論では、「オマージュ」なのか「パクリ」なのか、その違いがたびたび話題になります。
似ている表現をどのように捉えるかは、法的な問題にとどまらず、読者や創作者の倫理観にも関わる繊細なテーマです。
ここではその線引きと、呪術廻戦がなぜ「許される」立場にあるのかを考察していきます。
法的にはセーフ?著作権とアイデアの違い
まず大前提として、著作権法では“表現”は保護されるが、“アイデア”は保護されないという原則があります。
つまり、「師匠が目隠しをしている」「主人公が体に呪いを宿す」といった設定は抽象的なアイデアであるため、著作権侵害には当たらないのです。
そのため、具体的なセリフやビジュアルの完全一致でもない限り、法的には“グレー”どころかセーフとされるケースが大半です。
読者や他作家の評価で線引きされている
法的な問題がないからといって、すべてが受け入れられるわけではありません。
最も重要なのは、その表現が“誠実なリスペクト”として受け止められるかどうかという点です。
読者の中には「このシーンは〇〇のパクリだ」と批判する声もありますが、一方で「よく見つけた!面白い!」と楽しむファンもいます。
また、同業の漫画家たちの反応もさまざまで、肯定的に受け取る人もいれば、不快感を示すプロ作家もいます。
作者が公式に認めた呪術廻戦のオマージュ例
『呪術廻戦』には、作者自身が明言している“公認のオマージュ”がいくつか存在します。
それらは単なる模倣ではなく、元ネタを知る読者へのサービスやリスペクトとして機能しています。
ここでは、特に有名な「エヴァンゲリオン」との関係を中心に見ていきます。
エヴァンゲリオンとの明確なつながり
もっとも有名なオマージュの一つが、アニメ版『呪術廻戦』のエンディング後のコーナー「じゅじゅさんぽ」で描かれたシーンです。
そこでは、夜蛾学長が碇ゲンドウのポーズをそのまま再現しており、ファンの間で大きな話題となりました。
これは単なる偶然ではなく、意図的に仕込まれた“遊び心ある演出”です。
公式ファンブックでの元ネタ明言が“盾”に
また、芥見先生は公式ファンブックの中で、「究極メカ丸」のデザインに関して、エヴァンゲリオン初号機を参考にしたと明言しています。
このように元ネタを明確に開示し、作品内で昇華させている姿勢が、多くのファンから“誠実なオマージュ”として支持される理由でもあります。
結果として、こうした表現は批判の対象になりにくく、むしろ作品の魅力の一部として機能しているのです。
呪術廻戦の“元ネタ探し”が人気コンテンツ化している理由
『呪術廻戦』の人気とともに盛り上がっているのが、「元ネタ探し」という一種の読者参加型コンテンツです。
SNSや匿名掲示板などを中心に、ファンたちは作品内の描写に過去作との共通点を見出し、考察を共有しています。
このような文化が、作品の魅力をより深く掘り下げる土壌となっているのは間違いありません。
SNSやなんjの影響力で考察が一気に拡散
元ネタ探しがここまで盛り上がった理由のひとつは、SNSや掲示板での情報拡散力にあります。
特に「なんj」などの匿名掲示板では、読者が類似シーンの画像を並べて比較し、即座にリアクションが返ってくるという双方向のやりとりが可能です。
その中には過激な意見も混じる一方、非常に鋭い分析や考察も多く含まれており、読者の探究心を刺激するきっかけとなっています。
“あえて似せる”ことがファンの遊び心をくすぐる
芥見先生が明言しているように、ある種の“遊び心”として意図的に過去作を想起させるシーンを作っている節もあります。
これは、「わかる人にはわかる」楽しみ方を提供しているとも言えます。
読者側もそれを理解し、「このシーンってBLEACHっぽいよね!」「これは明らかにHUNTER×HUNTERのオマージュだよね」と、発見と共有の楽しみとして受け取っているのです。
結果として、呪術廻戦は単なる読み物にとどまらず、参加型のカルチャーとしても成立しているのです。
ボーボボやホラー漫画など意外な作品の影響も
『呪術廻戦』の元ネタとして注目されているのは王道バトル漫画だけではありません。
一見無関係に思えるギャグ漫画やホラー作品からの影響もファンの間で囁かれています。
こうした“異色のルーツ”を知ることで、『呪術廻戦』の独特な作風への理解も深まることでしょう。
ギャグ×シリアスのテンポはボーボボ譲り?
ファンの間でしばしば指摘されるのが、ギャグとシリアスを絶妙に行き来するテンポ感です。
特に東堂葵の「存在しない記憶」や、高田ちゃんとの一連のやり取りなどは、不条理ギャグの王道『ボボボーボ・ボーボボ』を思わせると話題になっています。
これは具体的なシーンの再現というより、物語の“リズム”や“空気感”の影響として評価されています。
伊藤潤二『うずまき』や『不安の種』のビジュアル影響
一方で、ビジュアル面での影響源として名前が挙がるのが、ホラー漫画の巨匠・伊藤潤二氏の『うずまき』です。
夏油傑の技「うずまき」はそのタイトルからも連想されるように、同名のホラー作品を想起させるものです。
また、中山昌亮氏の『不安の種』に登場する異形の存在と、呪霊のデザインとの類似も指摘されており、視覚的な恐怖演出の土台として参考にされた可能性があります。
こうした要素が合わさることで、『呪術廻戦』独特のダークさと緩急の妙が形成されているのです。
呪術廻戦の元ネタ・オマージュ問題まとめ
『呪術廻戦』におけるオマージュや元ネタの数々は、作品の深みと面白さを形作る重要な要素となっています。
一方で、それらの表現が「パクリ」として捉えられるかどうかは、受け手の価値観や感性に大きく依存します。
ここでは、これまでの内容を踏まえ、オマージュ問題の全体像を整理します。
パクリかリスペクトかは受け手次第
法的な観点ではセーフとされる類似表現でも、読者の受け止め方によっては「安易な模倣」と批判されることがあります。
しかしながら、多くの読者はその類似に懐かしさや発見の喜びを感じ、作品の魅力として受け入れています。
創作の背景にある“敬意”が伝わるかどうかが、評価を分けるポイントとなっているようです。
影響を公言する姿勢が“誠実なオマージュ”として受け入れられる鍵
芥見下々先生がインタビューやファンブックで影響を受けた作品を明言している点は、大きな信頼の要素です。
隠すことなく堂々とリスペクトを示すことで、読者や同業者からも“誠実な創作姿勢”として受け入れられています。
こうした透明性が、呪術廻戦の多彩なオマージュ表現を“批判されずに許容される理由”として作用しているのは間違いありません。
この記事のまとめ
- 呪術廻戦には多数の元ネタ・オマージュが存在
- BLEACHやHUNTER×HUNTERとの類似が顕著
- 構図やキャラ設定に明確な影響が見られる
- 作者は影響元を公言し、リスペクトを示す
- パクリか否かは読者の受け取り方次第
- エヴァなど公式に認められたオマージュもあり
- SNSや掲示板で元ネタ考察が盛り上がる要因に
- 意図的な遊び心がファンの興味を引いている
- ギャグやホラー作品の影響も作風に反映


