アニメ『呪術廻戦』第9話「幼魚と逆罰」では、物語の鍵を握るキャラクター・吉野順平が初登場し、重要なストーリーの幕が上がります。
また、七海建人と虎杖悠仁が共に任務に挑む場面も描かれ、二人の関係性やそれぞれの信念が印象的に描写されます。
この記事では、『呪術廻戦』9話のあらすじや印象的な名言、見どころをネタバレ込みでわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること
- 吉野順平と真人の関係性と心理描写
- 七海建人の術式や大人としての信念
- 虎杖の成長と「逕庭拳」の原理と意味
呪術廻戦9話「幼魚と逆罰」のあらすじを解説
『呪術廻戦』第9話「幼魚と逆罰」は、新キャラクター・吉野順平の登場によって、物語が大きく動き出す重要な回です。
七海建人と虎杖悠仁のバディによる任務も始まり、物語のテンポが一気に加速します。
本話では、人間と呪霊の境界があいまいになる“恐怖”と“葛藤”が色濃く描かれます。
順平の登場とその心の闇
9話の中心人物となる吉野順平は、いじめによって心に深い傷を抱える高校生として登場します。
彼の印象的なセリフ「嫌いな人間が死ぬボタンがあっても押せない。でも僕のことを嫌いな人間が死ぬボタンなら迷わず押す」は、その孤独と絶望を強く表しています。
そんな順平に接近するのが呪霊・真人です。
真人の甘言により、順平の心に変化が生まれはじめます。
視聴者としては、彼がどのように“呪い”の世界に引き込まれていくかが大きな見どころとなります。
七海と虎杖が映画館の事件を捜査
一方で、五条の指示により、七海建人と虎杖悠仁が映画館の変死事件の調査に動き出します。
ここでのポイントは、虎杖が任務に復帰し、初めて七海と行動を共にする点です。
二人は事件現場で、呪霊に見えるがどこか人間らしさを持つ敵と遭遇し、戦闘に入ります。
この場面では、「呪霊とは異なる存在」と戦っていることに、七海が違和感を抱き始める重要な伏線も描かれています。
七海建人が見せた「大人」としての信念と名言
第9話では、七海建人というキャラクターの信念と人生観が色濃く描かれ、彼の魅力が際立つ回でもあります。
社会人経験を経た彼の言動は、若い虎杖にとっても大きな影響を与えるものとなっています。
特に「大人とは何か」を語る場面は、多くの視聴者にとっても心に残る名場面となりました。
「私は大人で君は子供」から伝わる七海の価値観
任務中の虎杖に対して、七海は「私は大人で君は子供。私には君を自分より優先する義務があります」と語りかけます。
このセリフには、七海の責任感と倫理観が凝縮されています。
また、枕元の抜け毛や惣菜パンの話を例に出しながら「小さな絶望の積み重ねが人を大人にする」と語る場面もあり、現実を見つめる彼の人生観が印象的に描かれています。
ギャグを交えつつも、虎杖への思いやりが垣間見えるシーンです。
術式「十劃呪法(とおかくじゅほう)」の発動とその強さ
七海はこの回で、自身の術式である「十劃呪法(とおかくじゅほう)」を使用します。
これは敵の肉体にあらかじめ“弱点の位置”を物理的に設定し、そこを的確に叩くことで威力を倍増させるという高度な術式です。
特に“7:3の比率で対象を分割する”という独自の制約が強さの鍵となっており、呪術廻戦の世界観でも異彩を放っています。
また、戦闘では冷静な判断と合理性を重視する姿勢が強調され、理論派の呪術師としての信頼感が強く印象づけられました。
虎杖悠仁の成長と「逕庭拳」の習得
第9話では、虎杖悠仁の呪術師としての成長も明確に描かれています。
戦闘の中で新たな攻撃技を披露し、呪力の扱いに徐々に慣れてきた様子が見て取れます。
彼の天性の身体能力と呪力を組み合わせた新技「逕庭拳(けいていけん)」が誕生する場面は、特に注目すべきシーンです。
呪力の扱いに慣れてきた虎杖
これまで虎杖は、呪力のコントロールに課題を抱えていましたが、映画館での任務を通じて少しずつ呪力の扱いに慣れていきます。
特に、呪力と肉体のタイミングを合わせるという呪術戦闘の基本に向き合い始めたことが大きな変化です。
未熟さを自覚しつつも、「強くならなきゃ、死に方さえ選べねえからな」というセリフからも、彼の覚悟と意志が伝わってきます。
「逕庭拳」の原理と戦闘での使い方
虎杖が使用する「逕庭拳」は、肉体の打撃と呪力がわずかにズレて発動する技です。
通常、呪力は攻撃と同時に発動すべきですが、虎杖の呪力は打撃の後に遅れて届くため、相手には二重の衝撃として作用します。
この技が成立するのは、彼の高い身体能力があるからこそ。
タイミングのズレという“未熟さ”が逆に武器となるのは、虎杖というキャラの可能性を象徴しています。
今後の成長によって、この技がどのように洗練されていくかも、物語の見どころのひとつです。
真人の術式と順平との接触が意味するもの
第9話では、呪霊・真人と吉野順平の接触が描かれ、物語はさらに不穏な空気を帯びていきます。
真人の存在はただの敵キャラではなく、順平の心に潜む憎しみと絶望を巧みに利用する危険な存在です。
この接触によって、順平は「人を呪う力」と向き合うことになります。
真人の危険な思想と順平への影響
真人は、人間の魂に直接干渉する術式を持ち、身体の形状を自在に変化させる能力を持っています。
しかし、より恐ろしいのはその“思想”です。
彼は「命の重さ」に無関心であり、他人の苦しみを利用し、自分の快楽や目的のために行動する存在です。
そんな真人に言葉巧みに誘導される順平は、心の奥にある「いじめられた怒り」や「人間への不信感」に火をつけられていきます。
真人の言葉は一見優しく見えながら、順平を呪術の闇へと誘う毒のようなものです。
映画館の受付係が呪力で変化した存在だった理由
七海と虎杖の任務中、敵の遺体に腕時計が装着されていたことから、ある異変が判明します。
本来呪霊は人間の道具を持ちません。
しかしその時計は、順平が映画館を訪れた際の受付の女性のものであり、見た目も酷似していたのです。
呪霊ではなく、呪力で変質させられた“元・人間”だったという事実が、七海によって明らかになります。
これは真人の術式「無為転変」によるもので、魂の形を変えることで肉体そのものを変化させる極めて危険な能力です。
このことからも、真人がいかに倫理を逸脱した存在であるかがよくわかります。
呪霊ではなく「人間」と戦っていた真実
第9話では、虎杖と七海が戦っていた敵が呪霊ではなく人間であったという衝撃の事実が明らかになります。
この真実は、呪術師としての倫理観や、戦いにおける覚悟を改めて問うものであり、物語の緊張感を一気に高める展開となりました。
視聴者にも「呪術とは何か」「人の命とは何か」という根源的な問いを突きつけるエピソードです。
腕時計とスマホの写真から判明した驚きの事実
敵の腕に装着されていた腕時計に七海が違和感を覚えたことで、事件の裏に隠された真実が浮かび上がります。
さらに、スマホで撮影した写真には、呪霊には映らないはずの「腕」がしっかり映っていたのです。
この2つの状況証拠により、戦っていたのは呪霊ではなく、人間を術式で変異させた存在であることが判明します。
七海はこの分析力と判断力によって、呪術戦の実務に精通したプロフェッショナルとしての姿を強く印象づけました。
七海が抱いた違和感と呪術の裏側
七海は、敵の姿や言動から「呪霊とは異なる生体反応」を感じ取っており、当初から何かがおかしいと感じていました。
実際、敵が「人間であった」という事実は、呪術の世界における“倫理”や“限界”を大きく揺るがすものです。
真人の術式「無為転変」によって人が人でなくなるという事態は、単なる戦闘以上に、人間の尊厳を脅かす恐怖を感じさせます。
この一件で、虎杖も「人の命を弄ぶ呪術」を実感し、呪術師としての覚悟が深まることになります。
呪術廻戦9話「幼魚と逆罰」のまとめ|順平と七海の登場が物語を動かす転機に
『呪術廻戦』第9話「幼魚と逆罰」は、順平と七海という二人の重要人物が本格的に物語に関わり始める大きな転機となる回でした。
それぞれの立場や信念が交差し、呪術の世界の深さと闇が一層浮き彫りになります。
同時に、虎杖の成長や覚悟も描かれ、視聴者にとっても忘れがたい内容となりました。
順平の内に秘めた怒りと孤独は、真人という存在に引き寄せられていきます。
その変化は、単なるいじめられっ子の変貌ではなく、人間の弱さと呪いの本質を深く掘り下げる展開へとつながっています。
一方の七海は、合理主義的な思想と厳しい現実を抱えながらも、虎杖を守る「大人」としての責任を貫いていました。
戦いの相手が呪霊ではなく人間だったという真実は、呪術師としての使命や在り方を改めて問い直すものであり、作品全体のテーマにも関わってきます。
今後、順平がどのように呪術の世界に巻き込まれていくのか、そして虎杖や七海がどのように向き合っていくのか、目が離せない展開が続きます。
第9話は、物語がよりシリアスに、そして濃密になっていく「幼魚と逆罰編」の導入として、非常に完成度の高い一話でした。
この記事のまとめ
- 吉野順平が抱える孤独と闇の描写
- 七海建人の信念と「十劃呪法」の解説
- 虎杖悠仁の成長と「逕庭拳」の発動
- 真人の術式がもたらす倫理の崩壊
- 戦っていた敵が人間だったという衝撃