2025年夏アニメ『ダンダダン』第18話で流れた楽曲「Hunting Soul」が、X JAPANの代表曲「紅」に酷似していると話題になりました。
これに対してYOSHIKIさん本人がSNSで反応し、著作権やオマージュの在り方を巡って大きな議論を呼んでいます。
本記事では、ダンダダンと「紅」をめぐる騒動の経緯、YOSHIKIが問題視した理由、ファンや業界の反応、そして今後の行方について詳しく解説します。
この記事を読むとわかること
- 『ダンダダン』劇中曲と「紅」酷似騒動の経緯
- YOSHIKIが問題視した理由と著作権的論点
- ファンや業界の反応と今後の注目点
ダンダダンで「紅」酷似が問題視されたシーンとは?
アニメ『ダンダダン』第18話で披露された楽曲「Hunting Soul」が、X JAPANの代表曲紅に似ていると指摘され、大きな話題になりました。
文化祭のライブシーンで流れたギターイントロや構成が酷似しており、視聴者の間で「オマージュではなく模倣では?」という声が噴出しました。
やがてYOSHIKI氏本人もSNSで反応し、騒動は一気に炎上へと発展していったのです。
劇中バンド“HAYASii”の「Hunting Soul」とは
問題となった「Hunting Soul」は、劇中バンド“HAYASii”が文化祭で演奏したオリジナル曲です。
特徴的なのは、冒頭のシャウト「おはらいだぁ!」や、力強いギターリフが観客を一気に引き込む構成で、まるで実在のビジュアル系バンドを彷彿とさせる演出でした。
しかし、その演出やサウンドが「紅」と極めて似ていると指摘され、SNS上で炎上の火種となったのです。
なぜ「紅」に似ていると言われたのか
視聴者がまず注目したのは、イントロのギターフレーズです。
テンポやコード進行が「紅」を想起させる部分が多く、さらに演奏の盛り上がり方もX JAPANのライブを思わせるものでした。
加えて、シャウトの入り方や曲の展開も酷似しており、「リスペクトではなく引用の域に入っているのでは」との声が強まったのです。
YOSHIKIがSNSで反応した経緯
「紅」酷似騒動をさらに拡大させたのは、X JAPANのリーダーYOSHIKIさん自身のSNSでの反応でした。
視聴者の間で議論が起こっていたところに本人がコメントを残したことで、一気に注目度が増し炎上状態となりました。
最初は軽い驚きや疑問を投げかける投稿でしたが、その後の発言が波紋を広げていきます。
最初の投稿と炎上の広がり
YOSHIKIさんは放送直後にX(旧Twitter)で「何これ、X JAPANに聞こえない?」と投稿しました。
この一言が火種となり、ファンやメディアの間で一斉に拡散され、「ダンダダン」と「紅」がSNSのトレンドに上がる事態となりました。
視聴者の間でも「本人が言うなら確かに似ている」との声が強まり、炎上は加速していきました。
「弁護士からの連絡」発言と波紋
さらに注目を集めたのは、YOSHIKIさんが「弁護士達からも連絡がきた」と投稿したことです。
これは著作権侵害の可能性があると専門家から指摘を受けたことを示唆する発言で、ファンの間に緊張感が広がりました。
中には「法的措置を取るのでは?」と受け止める人もおり、騒動は単なる炎上を超えて深刻な問題へと発展したのです。
謝罪投稿と心境の変化
しかしその後、YOSHIKIさんは「驚いてつい呟いてしまった」として謝罪の投稿を行いました。
「最初は笑っていた」という言葉も添えられており、当初は好意的に受け止めていたものの、周囲の反応や法的な視点に触れるうちに深刻さを認識したことがうかがえます。
この謝罪によって騒動は一旦の収束を見せましたが、ファンや視聴者に強い印象を残す結果となりました。
YOSHIKIが問題視した本当の理由
今回の件について、単なる「似ている」という問題だけではなく、YOSHIKIさんにとって特別な背景がありました。
それが「紅」という楽曲の持つ象徴的な意味と、制作側からの事前連絡の欠如でした。
これらの要素が重なり、彼が強く反応せざるを得なかったのです。
“紅”が持つ特別な意味
「紅」はX JAPANを象徴する楽曲であり、YOSHIKIさんが世界に挑戦してきた歴史を背負った曲です。
ファンにとっても、そして本人にとっても魂そのものといえる楽曲であり、その存在は単なる音楽を超えています。
そんな曲が無断で想起させられる形で使用されたことに対して、YOSHIKIさんは感情的に反応せざるを得なかったのでしょう。
事前連絡の欠如が招いた不信感
YOSHIKIさんの発言で繰り返し出てきたのが「一言でも言ってくれれば良かった」という点です。
つまり、似ているかどうか以上に無断で行われたこと自体に強い不満を抱いていたのです。
アーティストへのリスペクトがあれば、事前に連絡や確認を取るのが当然であり、その欠如が大きな不信感を生み出しました。
著作権侵害の可能性と法的視点
「紅」酷似問題がここまで注目を集めたのは、単なるファン同士の議論にとどまらず、著作権侵害の可能性が浮上したためです。
YOSHIKIさんが「弁護士から連絡があった」と語ったことで、専門家の目線からも法的に精査すべき事案だと受け止められました。
ここでは著作権の基準や関係者の対応について整理してみます。
著作権法における類似性の判断基準
著作権侵害かどうかを判断する際には、メロディ、コード進行、リズム、構成の実質的同一性が重要視されます。
「Hunting Soul」は、ギターイントロ、曲展開、シャウトの入り方まで「紅」と重なる要素が多く、視聴者が強い類似性を感じたのも当然でしょう。
そのため、一部の専門家からは「参考の範囲を超えて模倣に近い」との指摘もありました。
Sony Music Publishingの関与と権利関係
さらに事態を複雑にしたのが、YOSHIKIさんがSNSで「Sony Music Publishingからも連絡が来た」と明かした点です。
これはつまり、楽曲の管理会社が権利関係を精査し始めたことを意味します。
商業アニメにおける音楽使用は厳しくチェックされるため、場合によってはライセンス交渉や修正が求められる可能性も否定できません。
制作側の対応と公式発表の有無
炎上の渦中で最も注目されたのは、アニメ『ダンダダン』制作陣の対応でした。
しかし2025年8月時点では、公式からの声明や謝罪文は一切発表されていません。
沈黙を続ける姿勢に、ファンの間では不信感や憶測が広がっています。
アニメ制作委員会方式の問題点
アニメ制作では複数の企業が関わる「制作委員会方式」が一般的です。
そのため責任の所在が不明確になりやすく、今回のような問題が起きた際に誰が説明すべきなのかが曖昧になります。
この構造的な問題が、公式発表が遅れている一因とも考えられます。
現状は“黙認”状態にあるのか
「Hunting Soul」のリリックビデオは、現在もMBSアニメの公式YouTubeで公開されたままです。
削除や修正が行われていないことから、現状は黙認状態と受け止められています。
ただし今後、法的判断や世論の動き次第では、何らかの公式コメントが出る可能性もあります。
ファンや業界の反応
「紅」酷似問題は、ファンや音楽業界の間でも大きな議論を呼びました。
ある人はリスペクトだと受け取り、別の人はパクリだと断じるなど、意見が真っ二つに分かれたのが特徴です。
その温度差こそが、今回の騒動をより複雑にしています。
オマージュとして肯定する声
肯定的な意見の中には、「懐かしい」「X JAPAN世代には分かる遊び心だ」と受け止めるものがありました。
特にアニメや漫画の世界ではオマージュ文化が根付いているため、「悪意のないリスペクト」と解釈する人も少なくありません。
「少なくともX JAPANを知らない世代に曲の存在を伝えるきっかけになる」という前向きな声も目立ちました。
パクリと批判する厳しい意見
一方で、厳しい視点からは「これは完全にパクリではないか」という意見が寄せられました。
特に「紅」は日本ロック史に残る象徴的な楽曲であり、無断で似た表現を使うことは冒涜に近いという強い感情を持つ人もいます。
また「商業作品として販売される以上、ファンの遊び心では済まされない」との批判も見られました。
商業アニメにおけるリスクと懸念
業界関係者の中には、「二次創作なら許されても、商業アニメでは危険」という意見が目立ちました。
著作権に敏感な音楽業界において、こうした表現は法的リスクを伴います。
同時に、「制作側が軽視していたなら問題」との声もあり、クリエイターと法のバランスが強く問われる一件となりました。
ダンダダンと紅の騒動から考える創作と敬意のバランスまとめ
『ダンダダン』における「Hunting Soul」とX JAPANの「紅」を巡る騒動は、単なる炎上で終わる話ではありません。
これは創作と敬意のバランスを改めて考えさせる出来事でした。
オマージュと盗用の境界線は曖昧であり、受け手の感情や背景によって大きく変わってしまうのです。
YOSHIKIさんが「最初は笑っていた」と語ったように、アーティスト自身も受け止め方が揺れ動く場面がありました。
しかし最終的に彼が強調したのは、「一言の連絡があれば良かった」というシンプルな思いです。
この言葉には、リスペクトを持って創作に臨むことの重要性が凝縮されています。
制作側の公式な対応は依然として示されていませんが、今回の騒動は業界全体に対して大きな教訓を残しました。
創作の自由と著作権の尊重、そしてアーティストや作品への誠実さ。
この三つのバランスを意識することが、今後の健全なエンタメ文化を支える鍵になるでしょう。
この記事のまとめ
- 『ダンダダン』の楽曲がX JAPAN「紅」に酷似と話題
- YOSHIKIがSNSで反応し炎上に発展
- 著作権侵害の可能性が指摘され弁護士も関与
- 制作側は公式声明を出さず沈黙を継続
- ファンの間ではオマージュかパクリかで意見が分裂
- 「創作と敬意」のバランスを問い直す一件となった