【ダンダダン】This Manの元ネタと正体を解説！同じ顔の男たちの謎が怖すぎる…

「ダンダダン」83話で登場した“同じ顔”の男たちに戦慄した読者も多いのではないでしょうか。その正体は都市伝説「This Man」をモチーフにした存在でした。

物語では、メイドカフェの店内にいた全員が「同じ顔」へと変貌し、モモを襲うという衝撃展開が描かれました。これはただのホラー演出ではなく、しっかりとした元ネタと設定が存在します。

本記事では、「ダンダダン」に登場したThis Manの正体や元ネタ、そしてこれまでに登場した関連作品についても徹底解説していきます。

「ダンダダン」に登場するThis Manの正体とは？

「ダンダダン」83話で描かれた“同じ顔のおっさん”たちは、多くの読者に不気味さと恐怖を与えました。

彼らはただのホラー演出ではなく、しっかりとしたSF的背景と都市伝説のモチーフを持っています。

この章では、彼らの正体と背後にいる存在について解き明かしていきます。

正体はセルポ星人だった！なぜ全員同じ顔に？

メイドカフェで働いていたモモの前に突如現れた「同じ顔」の人々。

その正体は、セルポ星人と呼ばれる宇宙人でした。

しかし彼らはもともとおっさん顔ではなく、何者かによってデータを書き換えられた結果、全員が同じ顔の人間になってしまっていたのです。

この「全員同じ顔」という設定は、視覚的な異様さを際立たせるだけでなく、都市伝説「This Man」を彷彿とさせる演出でもありました。

作中では、アイロンで顔を挟むことで元の姿に戻るという設定が登場し、その奇抜さも話題に。

これは単なるギャグ演出ではなく、「データ修復」という理屈づけにより、SF要素としての説得力も持たせていました。

別の次元のヒトがデータ改ざん？背景に潜む存在とは

セルポ星人のデータを改ざんし、「同じ顔のクローン」を生み出したのが、別の次元のヒトと呼ばれる存在です。

この存在が何者なのかははっきりとは描かれていませんが、データの書き換えやクローン転送の過程に関与していたことは明確です。

つまり、モモが見た「同じ顔」の人々は、元のメイドカフェの人間が変化したものではなく、転送ミスによって現れたコピーだったのです。

この設定により、「This Manとは何者なのか？」という都市伝説の本質的な不明瞭さが、物語上でも再現されているように感じました。

さらに、クローンたちはバモラとの関連も示唆されており、今後のストーリーへの伏線としても注目されています。

ダンダダンは、都市伝説とSFを融合させることで、読者の想像力を刺激する構造を巧みに作り上げているのです。

元ネタ「This Man」はどんな都市伝説？

「ダンダダン」に登場した“同じ顔の男”のインパクトは強烈でしたが、その正体には現実に存在する都市伝説「This Man」が深く関係しています。

この章では、「This Man」とは一体何なのか、その起源と広がり、背後にいるとされる人物について解説していきます。

都市伝説としての面白さだけでなく、その広がり方もまた、興味深い仕掛けの一部なのです。

夢に現れる謎の男「This Man」の誕生と拡散

「This Man」とは、世界中の人々が夢の中で同じ顔の男を見るという都市伝説です。

その発端は2006年、ニューヨークの精神科医が「夢で何度も同じ男を見た」と語る患者の話を聞き、似顔絵を描いたことから始まりました。

驚くことに、別の患者もその絵を見て「自分も夢で見た」と証言。

さらにその精神科医が同僚に絵を見せたところ、その中の患者たちからも同様の証言が。

この現象がインターネット上で広がり始め、世界中で2000人以上が夢の中で「This Man」を見たと報告するようになったのです。

その共通点は、実際には会ったことがないにも関わらず、全員が同じような顔を記憶している点にあります。

その後、この謎の男は「This Man」と命名され、海外メディアでも取り上げられるようになりました。

特にVice誌が特集を組んだことで信ぴょう性が高まり、SNSなどを通じて急速に拡散されていきます。

ナテッラ氏とWebサイトの仕掛け人説

「This Man」現象の裏には、ある人物の存在が取り沙汰されています。

それが、“ナテッラ”と名乗る男性です。

彼は2008年に夢でThis Manを見たことをきっかけに、専用のWebサイトを立ち上げ、似顔絵を作成し、情報を集め始めたと語っています。

このサイトは瞬く間に話題となり、1ヶ月で200万アクセス、1万件以上のメールが届くという現象が起きました。

しかしその後、いくつかのブログや報道により、「This Man」自体がゲリラ・マーケティングだった可能性が指摘されます。

つまり、この都市伝説そのものが仕掛け人によって人工的に生み出されたものであったのではないか、という疑惑です。

この点に関しては現在も真相が明かされておらず、「This Man」は未解決の都市伝説として、いまだに多くの人の関心を集めています。

「夢」という曖昧な現象に根ざしているからこそ、この話にはリアリティと不気味さが共存しているのです。

This Manをモチーフにした漫画・映画まとめ

都市伝説「This Man」は、その強烈なビジュアルと不気味なストーリー性から、多くの創作作品に影響を与えてきました。

ここでは、漫画や映画などで「This Man」がどのように描かれてきたのかを紹介します。

ダンダダンでも採用された背景をより深く理解する手がかりとなるでしょう。

漫画『This Man その顔を見た者には死を』のあらすじと魅力

2017年に連載が開始された漫画『This Man その顔を見た者には死を』は、都市伝説をベースにしたサイコサスペンス作品です。

主人公・天野斗は似顔絵捜査官であり、恋人である雑誌記者・三上玲愛を通じて、「不審な男の顔を描いてほしい」という依頼を受けます。

その男は、相談者の娘が「強烈な憎悪を感じた」と語る謎の人物でした。

天野が描いた似顔絵は、まさに「This Man」そのもの。

やがてこの男は、「その顔を見た者には死をもたらす」として連続殺人事件と結びつき始めます。

夢と現実が交錯する構成は、都市伝説の不気味さを視覚的にも強調し、読者を引き込みました。

全5巻で完結しており、謎とスリルを楽しみたい読者には非常におすすめです。

This Manを題材にした創作作品の中でも完成度の高い一作として、多くの支持を集めています。

映像作品におけるThis Manの活躍と描かれ方

「This Man」は映像作品にも多く登場しており、ジャンルを超えてその影響力を発揮しています。

アメリカのSFドラマ『X-ファイル』のエピソード「Plus One」では、This Manの要素を反映した不気味なキャラクターが登場しました。

また、日本のテレビドラマ『MOZU』シリーズにも、This Manを彷彿とさせる「だるま」と呼ばれる人物が出てきます。

さらに、2017年に放送された『世にも奇妙な物語』では「夢男」という短編ドラマで明確にThis Manが題材にされています。

こちらでは、夢の中で現れる男が人々に共通して恐怖を与えるという点が強調され、視聴者の間でも話題となりました。

そして2024年には、社会風刺を交えた日本映画『This Man』が公開されました。

この映画では、都市伝説という枠を超え、現代社会の匿名性や個人の不安感を表現するメタファーとしてThis Manが用いられています。

どの作品も共通して、「This Man」の“夢に現れる共通の顔”という核心を見事に描いており、フィクションの中で都市伝説を現実のように見せる工夫が施されています。

ダンダダンとThis Manが融合した理由を考察

「ダンダダン」に突如現れた“同じ顔のおっさん”が、「This Man」という都市伝説に基づいていることは間違いありません。

しかし、なぜこのタイミングで、なぜこの題材が物語に取り込まれたのでしょうか？

この章では、ダンダダンならではの演出と「This Man」の相性について考察していきます。

都市伝説×SFの融合が生む恐怖と驚き

ダンダダンはもともと、幽霊や宇宙人、オカルトとSFの要素が混在した世界観を持つ作品です。

そのため、「This Man」のような真偽不明の都市伝説が組み込まれることは、作品全体のトーンと非常によくマッチします。

また、「夢の中に現れる謎の人物」という性質は、現実と非現実の境界が曖昧なダンダダンのストーリーテリングにぴったりです。

そして、本作の特徴であるテンポの良いバトルやギャグと組み合わせることで、「This Man」の持つ不気味な空気がより鮮烈に引き立つ結果となっています。

シュールな恐怖を笑いに変えながらも、根底にはしっかりとした恐怖の本質が描かれており、読者の心理を揺さぶる演出が秀逸でした。

まさに、都市伝説を現代風に“再構築”した好例といえるでしょう。

読者の「怖い」「気持ち悪い」が意味するもの

83話公開直後、SNSでは「怖すぎる」「気持ち悪い」といった感想が多数投稿されました。

この反応は、単なる絵柄のインパクトだけではなく、“顔が同じ”という異常性への生理的な嫌悪感が引き起こしたものです。

人間は、本来あるべき違いが失われると不安を感じる心理を持っており、まさにそこを突いた表現でした。

また、「同じ顔の男に取り囲まれる」という描写は、夢の中での孤独感や閉塞感を象徴しています。

これは「This Man」のテーマそのものであり、読者が感じた“じわじわと迫ってくる恐怖”は、まさに狙い通りといえるでしょう。

読者が思わず身震いするような恐怖感を演出しつつも、あくまでギャグとSFの中でバランスを保っている点は、ダンダダン独自の魅力です。

ダンダダン×This Manの都市伝説要素まとめ

「ダンダダン」と都市伝説「This Man」の融合は、単なるホラー演出にとどまらず、物語の奥行きを深める要素として機能しています。

作品全体に散りばめられた細かな演出や設定を振り返ると、本作ならではの都市伝説の活かし方が見えてきます。

ここでは、そのポイントを簡潔にまとめてみましょう。

• This Manのビジュアルを忠実に再現し、視覚的インパクトを最大限に演出
• 「全員が同じ顔」という異常性によって不気味さと不安感を強調
• セルポ星人や「別の次元のヒト」との関係を通じて、SF的解釈を付加
• 夢と現実、データ改ざんというテーマで都市伝説の曖昧さを補強
• 視聴者のリアクション「気持ち悪い」「怖い」を意図的に誘導し、心理的演出に成功

都市伝説という存在は、あいまいさと謎があるからこそ魅力的です。

「ダンダダン」は、その特性をうまく活かし、視覚・心理・物語構造のすべてで“現代型の都市伝説”としての新しいかたちを提示しました。

今後も、このように現代のネット文化や都市伝説をうまく織り交ぜた展開が期待されます。

「This Man」という実在しない存在を、ここまでリアルに感じさせた「ダンダダン」は、やはりただのバトル漫画ではないと再認識させられました。