「推しの子」 謎の少女の正体と目的を考察

『推しの子』に登場する謎の少女は、作中でも異質な存在として注目を集めています。

アクアとルビーの過去や復讐に関わる重大な情報を握っていることから、正体や目的に関する考察がファンの間で白熱しています。

この記事では、謎の少女の登場シーンやセリフをもとに、「天鈿女命説」を中心とした有力な仮説とその根拠を整理し、正体と目的に迫ります。

謎の少女の正体は天鈿女命説が最有力

『推しの子』に登場する謎の少女は、作中でも異彩を放つ存在であり、その言動や背景から「神格的な存在ではないか」と考察されています。

その中でも特に注目されているのが天鈿女命（アメノウズメノミコト）説です。

この説は、物語の展開や舞台背景と密接に関係しており、読者の間でも有力な仮説として支持を集めています。

高千穂とカラスの神話的つながり

作中の舞台である宮崎県高千穂町は、古来より神話の聖地として知られており、天鈿女命を祀る神社も存在します。

さらに、少女のそばに常に現れるカラスが神の使い「八咫烏（やたがらす）」を連想させることからも、彼女が神話の存在と結びついている可能性が高いです。

高千穂と八咫烏、芸能神としての天鈿女命の属性を重ねることで、謎の少女の背景に神格性を見出すことができます。

人智を超えた情報を知る理由とは？

彼女はアクアとルビーの前世を把握し、ゴロー殺害の詳細や星野アイの魂の行方まで知っているなど、常識では理解できない情報を持っています。

これは、通常の人間では到底到達し得ない知識であり、超自然的存在でなければ不自然です。

以上の点から、謎の少女は人間以上の存在＝天鈿女命であるという説に、現実的な説得力が備わっているのです。

なぜルビーにゴローの遺体を発見させたのか

物語の中盤で、謎の少女はルビーに父・ゴローの遺体を見つけさせるよう仕向けました。

これは物語の大きな転換点であり、登場人物の心理に重大な影響を与える出来事です。

その背景にある意図を探ると、彼女の行動が偶然ではなく、明確な意図を持った導きだったことが見えてきます。

復讐心を植え付けるためという仮説

ゴローの遺体を発見した後のルビーは、それまでの姿勢を一変させ、復讐の炎を宿すようになります。

この変化は、謎の少女がルビーの感情を計算し、復讐という行動原理を植えつけたと考えれば非常に自然です。

彼女がただの観察者ではなく、物語を操作する存在である可能性が示唆されます。

カラスの行動と少女の意図の関連性

ホテルの鍵を盗み、ルビーを導いたのはカラスです。

カラスが少女の意思によって行動していたとすれば、それは彼女が事件の糸を引いていた明確な証拠と言えるでしょう。

つまり、ルビーを真実へ導き、復讐へと駆り立てることが少女の目的であった可能性が高いのです。

謎の少女の登場シーンを時系列で整理

謎の少女は突発的に登場するものの、その都度意味深な発言や行動を取っています。

以下では登場巻を整理し、それぞれの場面で語られたセリフや意味を振り返っていきます。

その言動から見えてくる人物像にも注目です。

8巻～13巻の重要登場回と意味深な言動

初登場は8巻75話で、カラスと共に現れます。

以後、アクアやルビーと直接対話し、真実の断片を提供する存在として登場を繰り返します。

特に13巻ではさりなの過去にも言及しており、登場のたびに物語の根幹に触れる発言をしています。

「15年の嘘」とツクヨミの関係性

アクアが少女を「ツクヨミ」という名で演者に抜擢する流れは象徴的です。

ツクヨミという名前自体が神格的であり、天鈿女命と同じく月に関係する神の名です。

この芸名の選択は、彼女の正体や存在意義を暗示しているように感じられます。

星野アイ説・看護師説の信憑性を検証

謎の少女の正体については、天鈿女命説以外にもいくつかの考察があります。

特に多いのが星野アイ本人説や、星野アイの出産に関わった看護師説です。

それぞれに根拠はあるものの、矛盾点や説明のつかない要素も存在しており、慎重な検証が求められます。

アイ説が矛盾する理由とセリフの根拠

謎の少女＝星野アイとする説では、「母としての執念が形を変えて現れた」という見方があります。

しかし作中で謎の少女自身が「星野アイの魂は形成されない」と明言しており、これが大きな矛盾となります。

また、アイ本人であればさりなの過去について詳細に語れる理由が不明です。情報量の多さが逆に説を否定する根拠となっています。

看護師説に見る一部の整合性と疑問点

もうひとつの有力説が、ゴローのかかりつけ病院で出産を担当していた看護師の転生というものです。

さりなの闘病生活や、ゴローに対する思いを知る立場であれば、少女の発言に筋は通ります。

しかしながら、魂の行方を知る能力や、転生者同士の関係性に関わる言動は、ただの人間には説明が付きません。

この点で、神格的存在である天鈿女命説のほうが整合性があると言えるでしょう。

謎の少女の真の目的は導きか、それとも操作か

謎の少女の行動は常に意図的であり、アクアやルビーの前に現れるタイミングや語る内容には一貫性があります。

これは偶然の産物ではなく、彼女なりの明確な目的があると見るべきです。

果たしてその目的は、善意の“導き”なのか、それとも自らの計画を進めるための“操作”なのか。

味方か敵か、アクアとルビーへの影響

彼女の助言によって、アクアとルビーはそれぞれ過去を直視し、新たな行動を取るようになります。

この点だけ見れば、味方のようにも思えますが、同時に不安を煽ったり、関係を引き裂こうとする発言も目立ちます。

そのため、単純に善悪で割り切れる存在ではないという印象を受けます。

不可解な言動に隠された意図とは

例えば「ルビーと仲直りするのは悪手」といった発言は、表面的には冷酷に聞こえます。

しかしその裏には、アクアの復讐計画を成功させるための配慮が隠されているとも解釈できます。

このように、表面では理解しづらい言動にも、深い意図が込められているのは確かです。

推しの子 謎の少女の正体と目的まとめ

ここまで、謎の少女の正体や目的についてさまざまな視点から考察を行ってきました。

作中に散りばめられた情報や登場シーンをつなぎ合わせることで、彼女の全貌が少しずつ見えてきます。

読者の推測を刺激し続ける存在であり、物語の核に深く関与していることは間違いありません。

現時点で最も有力な説と今後の注目点

これまでの情報を総合すると、天鈿女命説が最も矛盾が少なく、信頼性が高いと考えられます。

神話的背景やキャラ名「ツクヨミ」、非現実的な知識など、あらゆる点が合致しています。

今後の展開で、彼女自身の過去や立ち位置が語られるかどうかに注目が集まります。

物語の鍵を握る少女の今後に要注目

謎の少女は、単なる脇役ではなく、『推しの子』全体のテーマや結末にも深く関わる存在です。

復讐、愛、因縁といったキーワードと密接に結びついており、今後の展開において重要な役割を果たすことが予想されます。

彼女の発言ひとつひとつを見逃さず、これからも注視していくことが作品の理解を深める鍵になるでしょう。