『推しの子』で注目を集める少女・ツクヨミの正体について、「カラス説」を中心に多くの考察が話題となっています。
彼女がアクアとルビーの転生を知っている理由、ゴロー殺害の真相に関与している可能性など、謎の多い言動が読者の想像を掻き立てます。
本記事では、「推しの子 ツクヨミ 正体 カラス」という視点から、神話や過去エピソードとの関連性をもとに考察を深めていきます。
この記事を読むとわかること
- ツクヨミとカラスの関係や転生の伏線
- 日本神話とリンクするツクヨミの象徴性
- ツクヨミの正体に関する主要な考察と否定説
ツクヨミの正体はカラス?転生を導いた存在の真実
『推しの子』に登場する謎の少女ツクヨミの言動には、超自然的な気配が漂っています。
中でも読者の間で注目されているのが、彼女がカラスと深い関係にあるという点です。
第145話にて、彼女がかつて助けられたカラスだったという衝撃的な伏線が明らかにされ、多くの考察が飛び交っています。
カラスとさりなの過去:145話の伏線とは
物語の鍵となるのは、ルビーの前世である天童寺さりなと一羽のカラスの関係です。
さりなが入院中、網にかかったカラスを助けたエピソードが描かれています。
その後、このカラスは病室の外から彼女を見守り続けていた描写があり、明確に意思を持っているように感じられます。
この回想を少女自身が想起していたことから、読者の多くが「ツクヨミ=あのカラス」と結論づけるようになりました。
転生を知る少女の言動と“恩返し”の可能性
ツクヨミはアクアとルビーの転生事情に詳しく、その全貌を把握しているかのような発言を繰り返しています。
特に注目すべきは、彼女がカラスを使ってルビーにゴローの遺体を発見させたシーンです。
この行動は偶然ではなく、明確な意図を持っていたと考えられます。
かつて命を救われたカラスが、今度はツクヨミとしてルビーに「真実」と「覚醒」を与えた——まさに“恩返し”の物語構造が浮かび上がります。
少女を取り巻く神話的背景:高千穂と神様説のつながり
ツクヨミが初めて姿を見せたのは、B小町のPV撮影の舞台である宮崎県・高千穂町です。
この地は『天孫降臨』の舞台であり、神々が地上に降り立った場所として知られています。
ツクヨミの正体を探る上で、高千穂という神話的背景は重要な意味を持っていると考えられます。
天鈿女命との関係性と芸能の神の暗示
日本神話において天鈿女命(アメノウズメノミコト)は、芸能の神として知られています。
ツクヨミが登場した高千穂には、この天鈿女命と猿田彦命が共に住んだという伝承が残されています。
『推しの子』が芸能界を舞台にしている点を踏まえると、天鈿女命とツクヨミを重ね合わせる考察は非常に自然です。
特に、ツクヨミが芸名で活動を始めた展開は、この“芸能の神の暗示”を強く示唆していると言えるでしょう。
月読尊と少女の名前の共通点が示す意味
ツクヨミという名前は、日本神話に登場する月読尊(つくよみのみこと)と同じ読み方です。
月読尊は、天照大神や須佐之男命と共に誕生した三貴子の一柱であり、夜と死を司る神とされています。
「転生」や「魂の再構成」がキーワードとなる『推しの子』において、月や夜を象徴する存在の名を少女が名乗るのは偶然ではないでしょう。
また、高千穂が三貴子の出生地とも伝えられていることから、ツクヨミが月読尊の化身、あるいはその影響を受けた存在である可能性が考えられます。
アクアとルビーの転生の裏にいる存在とは
ツクヨミは、アクアとルビーの前世にまつわる秘密を知っているばかりか、その“転生の背景”についても言及しています。
彼女の語る言葉の数々は、ただの子供ではなく、何らかの超常的な立場にいる存在であることを示唆しています。
それは「神」なのか、それとも「神に仕える媒介」なのか——。
魂の無い子を導いたというセリフの真意
ツクヨミは初登場時、「魂の無い子を産んだ母親」とアイを表現しています。
この発言から、アクアとルビーが本来は“死産”であった可能性が浮かび上がります。
しかし、その器に前世の魂が入ったことで生を受けたという描写は、ツクヨミがそれを“導いた”存在、または全容を把握している何者かであることを裏付けるものです。
転生という奇跡が自然発生ではないとすれば、彼女の存在にはより深い意味があると考えられます。
神ではなく“媒介者”としてのツクヨミ
一方で、ツクヨミ自身が直接“神”であるという見方には疑問も残ります。
彼女の「親がいる」との発言や、映画出演時に見せた人間味あふれる反応は、完全な神的存在ではなく、むしろ神や自然の意志を伝える媒介者的な存在であることを示唆しているのではないでしょうか。
また、彼女が語る「もしかしたらそれ以上の意味があるのかもだけど」というセリフは、転生の背景にさらなる意図や使命が存在する可能性をほのめかしています。
星野アイや看護師の転生説は否定されるのか?
ツクヨミの正体については、神やカラスのほかに「誰かの転生」という説も存在します。
その候補として最もよく挙げられるのが、アクアとルビーの母である星野アイや、ゴローの同僚だった看護師です。
しかし物語の中では、それらの説に対して疑問が残る描写がいくつも散見されます。
少女自身が語った「魂はもう戻らない」の意味
ツクヨミはアクアとの会話の中で、「星野アイの魂はもう戻らない」と語っています。
この言葉は、彼女自身がアイの転生ではないことを示す直接的な否定です。
また、彼女はアイへの感情を語ることなく、むしろ二人の子どもたち(アクアとルビー)に執着を見せており、それもまた“母性”とは異なる存在であることを裏付けています。
もし本当にアイが転生しているなら、母としての想いや後悔が描かれるはずですが、そういった描写はありません。
看護師説の根拠と説得力の薄さ
もう一つの候補である看護師説は、ゴローと関わりがあった点から浮上しました。
しかしこの看護師は、作中での出番も少なく、読者に深く印象づけるような描写がされていません。
また、ツクヨミが知っている情報は、看護師が知り得る範囲を遥かに超えています。
それに加え、もし看護師が転生していたのだとしたら、「さりなの過去」まで知っていた理由の説明がつきません。
現時点では、ツクヨミ=看護師説は説得力に乏しいものと考えられます。
芸名「ツクヨミ」が意味する象徴性とは
作中でアクアの映画出演オファーを受け入れた謎の少女は、芸名として「ツクヨミ」を名乗り始めます。
この名は偶然ではなく、作品全体のテーマである「死」や「転生」、さらには「夜の象徴」と密接に結びついています。
少女の選んだこの名前が何を意味するのか、深堀りしてみましょう。
映画出演に応じた理由と人間としての一面
アクアから映画出演を打診された当初、ツクヨミは強い拒否反応を示しました。
しかし、「できないの?謝りなよ」と煽られたことで一転、「できるし」と感情的な反応を見せています。
このやりとりは、彼女が感情に揺さぶられる存在であり、全知全能の神ではなく、どこか人間味のあるキャラクターであることを象徴しています。
この行動からは、ツクヨミが「見守る存在」から「関わる存在」へと役割を変化させていることも読み取れます。
ツクヨミという名が示す月と夜の神性
ツクヨミという名前は、古代神話における「月読尊(つくよみのみこと)」に由来しています。
この神は夜と死を司る神とされており、「転生」や「終わりから始まり」など、本作の主題と強くリンクしています。
また、夜は光が隠れ、真実が表に出にくくなる時間帯であり、それはまさにツクヨミが物語において果たしている「裏から導く役割」を暗示しています。
彼女が名乗る“ツクヨミ”は、単なる芸名以上に、キャラクターの本質を象徴する言葉であると言えるでしょう。
神様は本当に優しいのか?転生の裏にある“それ以上の意味”
『推しの子』の物語において、アクアとルビーの“転生”は大きなテーマのひとつです。
ツクヨミはその仕組みに深く関与しているようですが、彼女自身が語った言葉からは、すべてが善意によって行われたわけではない可能性が浮かび上がってきます。
「神様はきっと優しいよね」という発言に込められた含みのある意味を読み解いていきましょう。
アクアとルビーは誰かの意図で転生させられた?
ツクヨミは、アクアとルビーの魂がアイの子として生まれた背景について、「偶然ではない」と示唆するような発言を残しています。
特に、「真の意味で母親を得られなかった二人」「魂の無い子を産んだ母親」といった表現から、誰かの手によって意図的に転生が操作された印象を受けます。
この“誰か”が神なのか、それともツクヨミを通じて働く別の存在なのか、現時点では明言されていません。
しかし、偶然とは思えない状況が重なっていることから、計画的な転生である可能性が高いと言えるでしょう。
「優しい神様」の裏に隠された複雑な思惑
ツクヨミは「神様はきっと優しいよね」と語っていますが、このセリフの「きっと」という言葉には注目が必要です。
それは確信ではなく、不確かさと警戒が含まれている表現です。
本当に優しいだけの存在であれば、アクアたちが復讐や苦悩に向かうような運命は避けられたはずです。
つまり、「神」はアクアとルビーの魂を転生させた一方で、彼らに試練を与えた存在でもあると推測できます。
その意図が「導き」なのか「操作」なのか、今後の展開に大きく影響を及ぼすことでしょう。
推しの子 ツクヨミ 正体 カラス説の考察まとめ
『推しの子』におけるツクヨミの存在は、転生・復讐・神話といった本作の根幹に関わるテーマと密接に結びついています。
中でもカラス説は、作中に描かれた145話の回想や、少女の言動を手がかりにすると非常に有力な仮説です。
ツクヨミがかつてルビーの前世・さりなに救われたカラスだったとすれば、転生に関与する力を持つ存在として物語に登場した理由にも納得がいきます。
また、「神様説」や「月読尊説」などの神話的な背景も重なり、ツクヨミというキャラクターは単なる“謎の少女”を超えた象徴的存在として描かれていることがわかります。
彼女が語った「魂の無い子」「優しい神様」などのセリフは、今後の展開で明かされるであろう転生の真相と伏線に直結している可能性が高いです。
ツクヨミの正体が完全に明かされる日が来るまで、私たちは物語の細部に散りばめられたヒントを拾い集めながら、彼女の背後にある“意思”を読み解く必要があります。
それは『推しの子』という作品の魅力を、より深く味わうための鍵となるでしょう。
この記事のまとめ
- ツクヨミは転生を知る謎の少女として登場
- カラス説は145話の描写から信憑性が高い
- 神話に登場する月読尊や天鈿女命と深い関連
- 転生や復讐を導く媒介者的な役割を担う
- 星野アイや看護師の転生説は否定的に描写
- 芸名ツクヨミが持つ象徴性も重要な伏線
- 転生の裏には神的存在の意図がある可能性
- 少女の存在が物語全体の謎解きの鍵となる