チェンソーマン83話感想｜マキマの真意とデンジの変貌を徹底考察！地獄の悪魔と天使の階級にも注目

『チェンソーマン』83話では、マキマの衝撃的な行動とセリフが続き、物語はますます深みを増していきます。

この記事では、83話の感想を中心に、マキマの真意や登場する悪魔たちの象徴性、そしてデンジの変貌についても考察していきます。

特に注目すべきは「助けてチェンソーマン」のタイトルコールや、天使の階級を模した魔人の登場など、宗教的なモチーフが絡む展開です。

チェンソーマン83話の感想と要点まとめ｜マキマの支配が鮮明に

『チェンソーマン』第83話では、マキマの支配力とデンジの精神的崩壊が、より露骨に描かれました。

読み進めるごとに、マキマというキャラクターの底知れぬ怖さと、その支配に対する周囲の絶望が浮き彫りになっていきます。

今話は「死」「復活」「チェンソー」というタイトル通り、キリスト教的象徴も含みながら、宗教性と暴力性が巧みに絡み合った一話となっていました。

デンジの無力さとマキマの演出された対比

冒頭の場面で印象的だったのが、コロコロで犬の毛を取るマキマと、服も靴も身に着けていないデンジの姿です。

この演出は、マキマが支配者としての整然とした立ち居振る舞いを見せる一方で、デンジはまるで物として扱われている存在であることを象徴しています。

このシーンは、視覚的にも読者に強いインパクトを与え、「自由意思の喪失」というテーマを鮮やかに伝えてきます。

「死と復活」は宗教モチーフ？意味を読み解く

タイトルに含まれる「死」「復活」は、多くの読者がキリストの受難と復活を連想するように設計されていると感じました。

特に、マキマの前で精神的に“死んだ”デンジが、後の「助けてチェンソーマン」のセリフで復活する流れは、受動的犠牲者から能動的破壊者への転換を象徴しているのではないでしょうか。

宗教的なシンボルを用いることで、物語に重厚感を与える手法は、藤本タツキ作品らしい大胆さでもあります。

天使の階級と魔人の並びに込められた伏線

第83話では、マキマのもとに跪く8体の魔人・悪魔たちの姿が描かれました。

彼らは序列を意識したかのように整列しており、その並びがキリスト教における「天使の階級」と一致するという描写が、非常に印象的です。

このシーンは単なる演出にとどまらず、物語全体に張り巡らされた宗教的伏線や世界観の構築として重要な位置づけを感じさせます。

8体の悪魔と序列が意味するもの

登場した悪魔たちは、天使の階級の上位から下位にかけて以下のように対応しているとされます。

• 熾天使（セラフィム）
• 智天使（ケルビム）
• 座天使（オファニム）
• 主天使（ドミニオンズ）
• 力天使（ヴァーチャーズ）
• 能天使（パワーズ）
• 権天使（プリンシパリティーズ）
• 大天使（アークエンジェルス）

この中で「天使（エンジェルス）」だけが欠けていることから、なぜ9人目がいないのか、あるいは誰かが後から加わるのかという謎が生まれます。

これは、マキマの眷属として動いていた者たちがあらかじめ序列と役割を決められていた可能性も示唆しています。

誰が“9人目”になるのか？読者の予想も交えて考察

ファンの間では、この“9人目”に入る存在として暴力の魔人やデンジ自身が候補として挙げられています。

特に、デンジが“チェンソーマン”として覚醒する瞬間に「へその緒」のような描写が挿入されていることから、神の秩序の外から加わる“異端の存在”として9人目を象徴しているのでは、という解釈も可能です。

このあたりの含みのある描写は、今後の展開で明かされることになるでしょう。

対マキマ対策部隊の登場で明かされた能力の限界

第83話では、ついにマキマへの反撃が描かれます。

登場したのは、徹底的な準備と戦略をもってマキマを狙う“対マキマ対策部隊”。

この存在は、彼女の強大な力に唯一対抗しうる“理詰めの戦術”として、物語の緊張感を大きく高める存在となっています。

12秒交代狙撃の意味とマキマ再生の隙

マキマを狙撃する際に、隊員たちは12秒ごとに交代して射撃しています。

この緻密な時間設定は、マキマの再生能力に「時間差」が存在することを示しており、彼女の無敵性に初めて“綻び”が見えた瞬間でもありました。

つまり、無尽蔵に思えた力も物理法則や回復速度といった制約には逆らえないという、現実的な裏付けがなされたのです。

岸辺の「すまない」に見える人間性と覚悟

この戦闘の指揮を執るのは、公安最古参の岸辺。

彼のセリフ「かかれ」ではなく「すまない」という選択に、私は強い違和感と同時に人間味を感じました。

これは、自らの部下たちを“作戦の駒”として動かす中でも、彼らの命の重さを理解し、背負っているという岸辺の人格を浮かび上がらせています。

アキを失い、今もなお闇に飲まれそうなデンジを守るために、岸辺がどれほどの犠牲を覚悟しているのか──。

「助けてチェンソーマン」衝撃のタイトルコールの意味

第83話の最大の見どころは、マキマの口から発せられた「助けてチェンソーマン」という言葉です。

このセリフは、単なる呼びかけではなく、作品の根幹に関わる物語上の大転換点であり、これまでの読者体験を揺るがすものでした。

チェンソーマンというタイトルがついに劇中で回収された瞬間、その静けさと緊張感は異様な重みを持って響きました。

マキマのセリフが持つ二重の意味とは？

なぜマキマが「チェンソーマン」という名を知っているのか、という疑問が湧きます。

これは、彼女が以前からチェンソーマンの“真の力”を把握していた、あるいはその力を目覚めさせるために全てを仕組んでいたことの証左ともとれます。

つまり、「助けて」という言葉は、実際にはマキマが望んだ“覚醒のトリガー”としての呼び声であり、支配の延長線上で放たれた命令に近いものでしょう。

タイトル回収の静けさに宿る恐怖演出

普通、タイトル回収の瞬間はドラマチックで劇的に描かれるものですが、83話ではこの演出が“静かに”“淡々と”行われました。

これが逆に、読者に深い恐怖と不穏さを与える構造になっており、藤本タツキ作品ならではの“ズラし”の演出といえます。

視覚的・心理的なサスペンスが凝縮されたこのシーンは、今後の展開においても決定的な瞬間として語り継がれていくでしょう。

地獄の悪魔＝ベリアル説とチェンソーマンの降臨

対マキマ対策部隊によって召喚されたのは、異形の存在「地獄の悪魔」。

この悪魔の描写は非常に禍々しく、異常な存在感と恐怖演出が際立っていました。

読者の間では、彼の姿や特徴から地獄の悪魔の元ネタが「ベリアル」なのではないかという考察も広まっています。

地獄の悪魔の元ネタを探る｜失楽園との関連性

「火の戦車」「生贄の儀式」「贈り物の供物」など、地獄の悪魔が登場するシーンには、悪魔学や宗教的典拠が多く散りばめられています。

中でもベリアルは、ミルトンの『失楽園』にも登場する堕天使であり、偽りと美辞麗句を操る存在として知られています。

この設定が、マキマとの対比にも見え、秩序vs混沌という構造の裏づけとして機能していると感じられました。

腸＝へその緒？デンジの変身描写の深読み考察

マキマの「助けてチェンソーマン」の呼びかけと共に、デンジの体が変貌するシーン。

その際、腹部から飛び出した腸が首に巻きついて伸びるという描写が登場します。

これは単なる内臓の露出というグロテスクな演出ではなく、「へその緒＝新たな誕生」の象徴とも読み取れるのです。

つまり、チェンソーマンとしての“再誕”を描くこの変身シーンは、死と生、暴力と神性のあいだに立つ存在としてのチェンソーマンを暗示しているのではないでしょうか。

チェンソーマン83話を通して読み取る今後の展開予想まとめ

第83話では、マキマの策略、デンジの変貌、そして地獄の悪魔の召喚と、物語の根幹に関わる要素が次々と明らかになりました。

ここから見えてくるのは、チェンソーマンという存在の真の力と、マキマを巡る“最終戦争”の幕開けです。

それでは、今後の展開についての予想をいくつかご紹介します。

岸辺の本当の狙いは？新たな悪魔の登場可能性

対マキマ対策部隊の指揮を執っていた岸辺ですが、彼が用意していたのは地獄の悪魔だけではない可能性があります。

読者の間では、サムライソードやレゼなど「悪魔の心臓を持つ者」を再登場させるのではという声もあります。

もしそれが実現すれば、マキマの支配に抗うための“人間側の最終兵器”として、壮絶な戦いが繰り広げられることは間違いありません。

チェンソーマンは“ヒーロー”として再誕するのか

これまで、デンジは“自分の意思で動けない”存在として描かれてきました。

しかし「助けてチェンソーマン」という言葉によって目覚めた存在は、もう以前のデンジではありません。

その姿は、悪魔すら恐れる「チェンソーマン」という概念そのものに近く、破壊による救済を象徴する存在へと変貌していきます。

今後、チェンソーマンが「救世主」か「世界の破壊者」か、その立ち位置がどう描かれるかによって、物語の結末の方向性が大きく変わるはずです。