『ダンダダン』に登場するセルポ星人のビジュアルや設定には、ただの創作ではなく、昭和特撮や都市伝説の濃厚な影響が隠されています。
特にウルトラマンシリーズの「ペガッサ星人」や「ダダ」との共通点、さらに「プロジェクト・セルポ」という陰謀論的都市伝説との関連性がファンの間で話題となっています。
この記事では、「ダンダダン ペガッサ星人 元ネタ」にまつわる深掘り情報を整理し、特撮ファンや都市伝説好きが見逃せない裏設定を徹底解説します。
この記事を読むとわかること
- セルポ星人の元ネタが特撮キャラ由来である理由
- 都市伝説「プロジェクト・セルポ」との関連性
- 『ダンダダン』に込められた特撮・民間信仰のオマージュ要素
セルポ星人の元ネタはペガッサ星人とダダの融合だった！
『ダンダダン』に登場するセルポ星人には、昭和の名作特撮『ウルトラマン』シリーズの影響が色濃く見られます。
特に「ペガッサ星人」と「ダダ」の要素を巧みに融合し、懐かしさと新鮮さを兼ね備えたキャラクターとなっているのです。
ここでは、その元ネタとされる2大キャラとの共通点を解き明かし、作者の狙いを紐解いていきます。
角ばった頭部と無機質な性格は「ペガッサ星人」由来
セルポ星人の特徴としてまず挙げられるのが、その角ばった頭部と整った髪型です。
これは『ウルトラセブン』第6話「ダーク・ゾーン」に登場するペガッサ星人とほぼ一致するデザインです。
ペガッサ星人は、敵対する存在ではなく理知的な異星人として描かれ、地球人との対話を試みる姿勢が特徴でした。
この冷静で無機質な雰囲気が、セルポ星人にも受け継がれていると感じます。
人間標本と三面相の演出は「ダダ」からの影響
一方で、セルポ星人のもう一つの側面は、異常性や恐怖演出にあります。
人間を標本にしようとするその行動は、まさに『ウルトラマン』第28話に登場したダダの行動パターンと一致しています。
さらに、ダダの顔面は三つの顔を切り替える不気味な演出で有名ですが、『ダンダダン』のセルポ星人にも変身や切り替えの演出が存在しています。
この“恐怖”と“理性”の両面性こそが、セルポ星人というキャラクターの深みを生み出しているのです。
このように、セルポ星人は単なるオマージュを超えた存在です。
ペガッサ星人の哀愁とダダの不気味さという、対照的な魅力を融合させたことで、読者の印象に強く残るキャラとして成立しています。
『ダンダダン』が取り入れた都市伝説「プロジェクト・セルポ」とは
セルポ星人の名前の由来は、単なる創作ではなく、アメリカ発祥の有名な都市伝説に基づいています。
「プロジェクト・セルポ」と呼ばれるこの話は、政府の極秘計画として語られるUFO陰謀論のひとつです。
ここでは、この都市伝説の内容と、それが『ダンダダン』の世界にどう影響しているのかを考察します。
ロズウェル事件から生まれた交換留学生計画
1947年、アメリカ・ニューメキシコ州で起きたロズウェル事件は、UFOファンにとって語り草の出来事です。
墜落したUFOと宇宙人を米軍が回収し、秘密裏に接触していたという説が発端となりました。
その後に登場したのがプロジェクト・セルポという都市伝説です。
これは、地球とセルポ星の間で12名の人間を宇宙人の星に「交換留学生」として送り出したという内容で、オカルトファンの間で広まりました。
実際にこの計画の記録は存在せず、匿名掲示板を中心に語られてきた断片的な情報に過ぎません。
ですが、『ダンダダン』ではこの説を宇宙人設定のベースとして組み込み、物語に厚みを与えています。
友好的宇宙人として描かれるセルポ星人の意味
「プロジェクト・セルポ」の伝説におけるセルポ星人は、人類と意思疎通できる高度な知的生命体です。
彼らは敵ではなく、協力関係を築こうとする宇宙人として描かれており、これは作品中のセルポ星人にも通じています。
『ダンダダン』では、セルポ星人はときに敵対しつつも、モモたちと交渉のテーブルにつく存在として登場します。
このように、「話せる宇宙人」という描写は、ただの悪役ではなく、異文化理解のメタファーとも捉えることができます。
「地球人 vs 宇宙人」という単純な構図ではなく、共存や対話の可能性を提示している点が、作品の現代的な視点を象徴しているのです。
作者が描く“敵ではない宇宙人”という新しい解釈
『ダンダダン』に登場するセルポ星人は、従来の「地球侵略型」宇宙人とは一線を画した存在です。
彼らは敵でありながらも、理解可能な理性を持つ知的生命体として描かれています。
ここでは、そんな“敵ではない宇宙人”という視点から、作者の新しい試みを見ていきましょう。
理性的に交渉する姿は平和主義の象徴
セルポ星人は、モモたちと対立しつつも、力任せではなく言葉や交渉で関係を築こうとする場面が多く描かれます。
これは、かつての「侵略して当然」というステレオタイプから脱却した、現代的な宇宙人像と言えるでしょう。
この姿勢は、前述のペガッサ星人にも通じるものであり、作品を通じて対話の可能性をテーマとして提示しているのが印象的です。
善悪の枠を超えた現代的キャラクター像
『ダンダダン』では、敵味方の区別が単純ではありません。
セルポ星人は、人間を標本にしようとするような不気味な行動も見せますが、同時に感情や目的を持つ存在として描かれます。
この多面的な描写は、現実の人間関係や異文化理解にもつながるテーマ性を持っています。
敵＝悪という単純な枠組みを壊し、善悪のグラデーションを描こうとする意図が感じられるのです。
このような描き方によって、セルポ星人は恐怖の対象ではなく、人間に問いを投げかける存在となっています。
敵であっても、必ずしも「悪」ではないという『ダンダダン』のメッセージは、読者に深い余韻を残します。
セルポ星人以外の『ダンダダン』宇宙人たちの元ネタ紹介
『ダンダダン』にはセルポ星人以外にも、実在の都市伝説や未確認生物（UMA）を元にした宇宙人たちが多数登場します。
これらのキャラクターは、単なるオリジナルデザインではなく、実際に語り継がれてきた逸話や神話をベースに構築されています。
本作の世界観を深く理解するためには、これら元ネタの知識も欠かせません。
フラットウッズモンスターやドーバーデーモンとの関連
たとえば、1952年にアメリカ・ウェストバージニア州で目撃されたフラットウッズモンスターは、その巨体と霧攻撃の描写が『ダンダダン』に登場する宇宙人と一致します。
このモンスターは、目撃者が頭痛や吐き気を訴えるなど、身体的異変を伴っていたという点でも、作中の演出にリアリティを与えています。
また、1977年にマサチューセッツ州で観測されたドーバーデーモンは、小柄で大きな頭とぬめりのある肌という特徴を持ち、それがボクシング宇宙人のデザインに落とし込まれています。
実在する目撃情報を基に構築されている点が、『ダンダダン』のリアリティを支えています。
民間伝承やクトゥルフ神話まで網羅された設定群
『ダンダダン』の宇宙人や怪異の中には、アメリカの都市伝説だけでなく、クトゥルフ神話や日本の民間伝承を出典とするものも数多く存在します。
たとえば、「深淵の者（クル）」は、ラヴクラフトが創作した邪神の影響を受けており、不定形な姿や触手の描写はクトゥルフ神話のオマージュです。
また、「オンブスマン」や「邪視」といったキャラクターは、日本の妖怪文化を基にした設定であり、民俗学的な背景も感じられます。
神話・伝承・UMAというジャンル横断的な元ネタが、作品の独特な雰囲気を作り出しているのです。
このように、『ダンダダン』の宇宙人たちは一見すると奇抜でも、背景にある元ネタの重層性によって、読者に知的好奇心を喚起させる魅力を持っています。
「ペガッサ星人」「ダダ」を知ってこそ楽しめる『ダンダダン』の深み
『ダンダダン』の魅力は、単なるバトルやギャグだけにとどまりません。
その世界観をより深く味わうには、元ネタとなった特撮キャラ「ペガッサ星人」や「ダダ」についての知識がカギになります。
ここでは、これら昭和特撮の代表的存在が、どのように作品へと再解釈されているのかを掘り下げていきます。
特撮ファン向けのディテールの数々
まず「ペガッサ星人」は、ウルトラセブン第6話「ダーク・ゾーン」に登場した宇宙人で、対話による解決を求める平和主義者でした。
その理知的で哀愁漂うビジュアルは、セルポ星人のデザインに色濃く反映されています。
一方「ダダ」は、ウルトラマン第28話に登場する敵役で、人間を標本にする冷酷な宇宙人として記憶に残る存在です。
その白黒の幾何学模様と三つの顔は、異様なビジュアルとして今なお高い人気を誇ります。
オマージュと再構築で魅せるキャラ造形
『ダンダダン』のセルポ星人は、これら二つの異なる性質を絶妙に融合させた存在です。
ペガッサ星人の平和的知性と、ダダの非情な論理性を併せ持つことで、単なる懐古的なオマージュに留まらないキャラクターに昇華しています。
作者・龍幸伸氏の特撮愛と構成力がなければ、このような多層的キャラは生まれなかったでしょう。
特撮を知らない読者でも楽しめる一方で、知っていればより深く共鳴できる構造は、ファン心をくすぐります。
『ダンダダン』は、ただのエンタメ作品ではなく、過去文化への敬意と創作の新しさを同時に描いた意欲作です。
ダンダダン ペガッサ星人・セルポ星人の元ネタまとめ
『ダンダダン』に登場するセルポ星人は、昭和特撮の名キャラと、都市伝説の代表格を見事に融合させた存在です。
そのキャラクター造形は、単なるオマージュではなく、文化と物語の交差点としての価値を持っています。
ここでは、これまでの考察を振り返りつつ、セルポ星人というキャラクターの魅力を再確認します。
特撮×都市伝説の融合が作品世界を深める
セルポ星人はペガッサ星人の理性とダダの恐怖演出を融合させたキャラとしてデザインされています。
そこにさらに、「プロジェクト・セルポ」というUFO都市伝説の設定を重ねることで、現代的な知的キャラクター像が誕生しました。
このような複合的な元ネタの構成が、『ダンダダン』の世界観に奥行きを与え、物語に独自性をもたらしています。
知識を持って読むと『ダンダダン』がさらに面白くなる
ペガッサ星人やダダ、プロジェクト・セルポといった元ネタを知ることで、『ダンダダン』の見え方は大きく変わります。
キャラの意図や演出の裏側に気づくことで、作品の理解がより深まるはずです。
また、他の宇宙人たちにも実在する未確認生物や伝承が関係しており、繰り返し読むことで新たな発見があるのも『ダンダダン』の魅力です。
物語をより味わい尽くすためにも、元ネタの知識を武器に、ぜひ何度でも読み返してみてください。
この記事のまとめ
- セルポ星人の元ネタはペガッサ星人とダダ
- 都市伝説「プロジェクト・セルポ」も背景に存在
- 対話する宇宙人として描かれた新たな解釈
- 特撮・都市伝説・民間伝承が複合的に融合
- UMAやクトゥルフ神話などのネタも多数登場
- 元ネタを知ることで作品理解がより深まる
