『HUNTER×HUNTER』35巻では、暗黒大陸へ向かう巨大船ブラックホエール号を舞台に、カキン王国の王位継承戦が本格化します。クラピカは幼いワブル王子とオイト王妃を守るため、次々と発生する不可解な事件に対処しなければなりません。
35巻の大きな見どころは、王子たちに宿る守護霊獣の存在と、クラピカが新たに明かす念能力です。単純な戦闘だけでなく、各陣営の駆け引きや情報戦が複雑に絡み合い、誰を信用すべきなのかも重要になってきます。
この記事では、『HUNTER×HUNTER』35巻の基本情報、ネタバレを抑えたあらすじ、念獣とクラピカの能力、王位継承戦の注目点を整理して解説します。
- 35巻の収録話と王位継承戦のあらすじ
- 守護霊獣の仕組みとクラピカの新能力
- 各王子の思惑と36巻につながる注目点
HUNTER×HUNTER 35巻のあらすじと収録内容
35巻は、カキン王国の王位継承戦が本格的な情報戦へ移行する重要な巻です。まずは収録内容と物語の状況を整理します。
35巻「念獣」の発売日と収録話は?
『HUNTER×HUNTER』35巻は、冨樫義博による漫画作品の単行本で、2018年2月2日に集英社から発売されました。巻の副題は「念獣」です。
収録されているのは、No.361「辞退」からNo.370「観察」までの全10話です。34巻から続く王位継承戦を中心に、船内で発生する事件とクラピカの対応が描かれています。
34巻では、ヒソカとクロロの戦いに加え、暗黒大陸へ向けた出航と王位継承戦の始まりが描かれました。35巻では舞台がブラックホエール号の内部へと移り、王子たちの護衛や念能力者の行動が物語の中心になります。
これまでの冒険とは異なり、限られた空間で多数の人物が同時に動く群像劇としての性格が強くなっている点も特徴です。
ブラックホエール号で始まる王位継承戦
35巻の舞台となるブラックホエール号には、カキン王国の国王ナスビー・ホイコーロと14人の王子たちが乗船しています。王子たちは次の国王の座を巡る継承戦に参加しており、それぞれが護衛や協力者を抱えています。
この争いの特徴は、単に戦闘能力が高い人物が有利になるわけではないことです。相手の能力や目的を知らない状況では、情報を集めること自体が生存の条件になります。
さらに王子たちには、儀式によって生まれた守護霊獣が憑いています。念について詳しくない王子もいるため、本人の認識とは別に能力が作用する場合があり、護衛たちは予測しにくい危険に直面します。
王子本人だけでなく、護衛や従者の判断も勢力関係に影響するため、船内では表立った戦闘と水面下の交渉が同時に進んでいきます。
クラピカとワブル王子を取り巻く危機
クラピカは、第14王子ワブルと、その母親であるオイト王妃の護衛を担当しています。ワブルは幼い王子であり、自分の意思で継承戦の危険を回避できる立場にはありません。
出航後、ワブル王子の周辺では不可解な事件が続発し、護衛の人数も大きく減少します。クラピカは限られた戦力で安全を確保しながら、他の王子の陣営とも接触しなければならなくなります。
ここで重要になるのが、ワブル王子を生き残らせるための交渉と情報収集です。敵を倒すだけでは状況が改善しないため、クラピカは相手の意図を読み、協力できる勢力を慎重に見極めます。
護衛としての責任と自身の目的を抱えるクラピカにとって、35巻は知識や判断力だけでなく、精神的な負担も試される展開となっています。
35巻の重要要素!守護霊獣とクラピカの念能力
35巻を理解するうえで欠かせないのが、守護霊獣の性質とクラピカの新たな能力です。それぞれの特徴を把握すると、登場人物たちの行動が理解しやすくなります。
守護霊獣とは?壺中卵の儀との関係
守護霊獣は、カキン王国に伝わる「壺中卵の儀」によって王子たちに憑く念獣です。王子の資質や性格が能力に反映されるとされ、姿や性質もそれぞれ異なります。
守護霊獣には特殊な制約があり、守護霊獣同士は直接殺し合わず、憑いている人間を直接攻撃しないというルールが示されています。
また、守護霊獣は宿主のオーラを利用して活動するため、その存在は王子の身体的な負担とも無関係ではありません。王子自身が念能力者でなくても、周囲で不可解な現象が起こる可能性があります。
守護霊獣の能力がすべて明らかになっているわけではないため、護衛たちは相手の行動を観察しながら対策を考える必要があります。この不確実性が、35巻の緊張感を生み出す大きな要因です。
クラピカの新能力「奪う人差し指の鎖」
35巻では、クラピカがこれまで温存していた人差し指の鎖の能力が明らかになります。その名称は「奪う人差し指の鎖(スチールチェーン)」です。
この能力は、鎖の先端にある注射器状の部分を対象に刺し、オーラと念能力を奪うものです。対象のオーラを奪い尽くすと、一時的に絶の状態にすることもできます。
さらにクラピカは、奪った能力を利用するための「人差し指の絶対時間(ステルスドルフィン)」も使用します。これによって能力を分析したり、条件を満たした相手に使用させたりすることが可能です。
ただし、奪った能力は無制限に保持して自由に使えるわけではありません。能力の使用には制約があり、クラピカ自身にも負担が生じます。便利な能力である一方、使うタイミングを慎重に判断する必要があるのです。
絶対時間(エンペラータイム)の代償
クラピカの「絶対時間(エンペラータイム)」は、緋の眼になっている間に使用できる特質系の能力です。各系統の念能力を、それぞれの習得レベルにおいて100%の精度と威力で発揮できるという特徴があります。
35巻では、その強力な能力に重大な代償があることも説明されます。絶対時間を1秒使用するごとに、クラピカの寿命が1時間縮むという制約です。
しかも、ステルスドルフィンで保持した能力を使い切るまでは、絶対時間を解除できないという問題があります。能力を奪うことに成功しても、その後の状況によっては大きな負担を背負うことになります。
この制約によって、クラピカの選択には時間的な重みが加わります。35巻では、能力の強さそのものよりも、限られた条件の中でどう使うかが重要なテーマになっています。
HUNTER×HUNTER 35巻の見どころと36巻へのつながり
35巻では、クラピカだけでなく複数の王子や護衛の思惑が交錯します。特に注目したい人物と、次巻につながる展開を整理します。
ベンジャミンやツェリードニヒなど王子たちの動向
第1王子ベンジャミンは、軍事的な力と私設兵を背景に継承戦へ臨む人物です。強硬な姿勢を見せる一方、部下の助言を受けながら状況を判断する場面もあり、単純な力押しだけで動いているわけではありません。
第4王子ツェリードニヒは、念能力に関する知識を得たことで、新たな可能性に関心を示します。彼の念に対する理解や適性は、周囲の人物に警戒心を抱かせる重要な要素です。
また、第3王子チョウライや第5王子ツベッパも、他陣営との接触を通じて独自の立場を築こうとします。各王子の目的と行動方針が異なることが、継承戦を複雑にしています。
クラピカは、こうした勢力の違いを理解したうえで、ワブル王子の安全につながる選択を模索します。王子たちの性格や陣営の関係を把握することが、35巻を読み解く手がかりになります。
念の講習会が持つ重要な意味
35巻では、クラピカが他の王子の陣営に対して、念についての情報を提供するという大胆な行動に出ます。これは単なる親切心からではなく、継承戦の状況を変えるための戦略です。
念を知らない人物と念能力者の間には、情報面で大きな格差があります。その格差を縮めることで、特定の陣営が一方的に優位に立つ状況を防ぎ、安易な攻撃を難しくする狙いがあります。
しかし、念の知識を広めることは、同時に敵対する陣営の戦力を強化する危険も伴います。
参加者の中にどのような目的を持つ人物がいるのかも、すべて把握できているわけではありません。講習会はクラピカの交渉力を示す場であると同時に、新たな危険を生み出す可能性を持っています。
35巻の結末から36巻へ続く注目点
35巻の終盤では、船内の緊張がさらに高まり、念能力を巡る疑惑が新たな局面を迎えます。守護霊獣だけでなく、王子の護衛や関係者が持つ能力にも注意が必要になります。
特に重要なのは、念能力者が必ずしも自分の能力や立場を明かしているわけではないという点です。味方に見える人物が何を隠しているのか、誰が事件に関与しているのかを見極めることが難しくなっています。
また、クラピカはワブル王子の護衛を続けながら、自身の能力に伴う負担にも向き合わなければなりません。戦略が成功するかどうかだけでなく、どこまで行動を続けられるのかも注目点です。
36巻では、クラピカが進める念の講習会や各王子の動向が引き続き描かれます。35巻で示された守護霊獣のルール、王子たちの関係、念能力の制約を理解しておくと、続く展開を整理しやすくなるでしょう。
- 35巻「念獣」は2018年2月2日発売で、No.361~No.370の全10話を収録
- ブラックホエール号を舞台にカキン王国の王位継承戦が本格化する
- クラピカはワブル王子とオイト王妃を守るため、交渉と情報収集を進める
- 守護霊獣は壺中卵の儀によって王子たちに憑く特殊な念獣
- クラピカの新能力「奪う人差し指の鎖」が明らかになる
- 絶対時間には使用時間に応じて寿命が縮む重大な制約がある
- 念の講習会と各王子の駆け引きが36巻につながる重要な要素となる


