「鬼滅の刃」の那田蜘蛛山編は、炭治郎・善逸・伊之助がそれぞれ強敵と戦い、十二鬼月や柱の圧倒的な強さを目の当たりにする重要なエピソードです。
那田蜘蛛山では、蜘蛛の鬼一家との戦いが繰り広げられ、炭治郎と累の死闘をはじめ、善逸の霹靂一閃 六連やヒノカミ神楽など、「鬼滅の刃」を代表する名シーンが次々と登場します。
この記事では、「鬼滅の刃」の那田蜘蛛山編について、蜘蛛山で何が起きたのかがわかるあらすじから、累をはじめとする鬼たち、冨岡義勇・胡蝶しのぶの活躍、心に残る名シーンまでわかりやすく解説します。
この記事を読むとわかること
- 那田蜘蛛山で炭治郎たちを襲った蜘蛛の鬼一家との戦い!
- 累との死闘やヒノカミ神楽・霹靂一閃 六連などの名シーン
- 冨岡義勇・胡蝶しのぶの活躍と那田蜘蛛山編の見どころ!
鬼滅の刃「那田蜘蛛山編」のあらすじ!蜘蛛山で何が起きた?
鬼滅の刃の那田蜘蛛山編では、炭治郎・善逸・伊之助の3人が、これまでの任務とは明らかに異なる危険な山へ足を踏み入れます。
那田蜘蛛山を支配していたのは蜘蛛の鬼一家で、その中心には十二鬼月・下弦の伍である累が存在していました。
ここからは、鬼殺隊士が次々と倒れていく異常な山で何が起きたのか、炭治郎たちの戦いを時系列に沿って振り返っていきます。
炭治郎と伊之助は操られた鬼殺隊士と蜘蛛の鬼に遭遇する
鼓屋敷での任務を終え、藤の家紋の家で傷を癒やした炭治郎・善逸・伊之助のもとに、新たな任務として那田蜘蛛山へ向かうよう鎹鴉から指令が届きます。
山の入口に到着した3人でしたが、薄暗い森の中から漂ってくる不気味な気配に善逸は恐怖を隠せず、炭治郎と伊之助だけが先に山へ入っていくことになります。
しかし山の中で2人が目にしたのは、通常の鬼との戦いとはまったく異なる異様な光景でした。
山へ入った炭治郎と伊之助の前に現れたのは、傷だらけになった鬼殺隊士たちです。
ところが彼らは助けを求めるどころか、自分の意思とは無関係に刀を振るい、炭治郎たちへ襲いかかってきました。
その原因は、山に張り巡らされた蜘蛛の糸です。
蜘蛛の鬼が糸を使って鬼殺隊士の体を操り、人形のように戦わせていたため、炭治郎たちは仲間を傷つけないようにしながら戦わなければなりませんでした。
特に恐ろしいのは、操られている隊士たち自身には意識があり、自分の体が勝手に動かされる恐怖を感じていることです。
無理に動かされたことで手足や骨が折れている者もおり、那田蜘蛛山に潜む鬼の残酷さが早い段階から示されています。
炭治郎と伊之助は糸の位置を見抜きながら隊士たちを木に引っかけるなどして動きを止め、操っている鬼の居場所を探しました。
その先で炭治郎たちがたどり着いたのが、蜘蛛の鬼一家で「母」と呼ばれていた鬼です。
母蜘蛛は累から失敗を責められることを恐れ、必死になって隊士たちを操っていましたが、その姿からは支配する側でありながら同時に支配されている苦しさも伝わってきます。
炭治郎は彼女の恐怖と諦めを感じ取り、最期には水の呼吸 伍ノ型「干天の慈雨」で苦痛を与えないように頸を斬りました。
そして母蜘蛛は消滅する直前、この山には「十二鬼月」がいることを炭治郎へ伝えます。
善逸は蜘蛛の毒に侵されながら兄蜘蛛と死闘を繰り広げる
一方、山の入口に残っていた善逸は、禰豆子が炭治郎と一緒に山へ入っていることに気づき、恐怖を押し切って2人を追いかけます。
しかし炭治郎たちとは合流できず、山中を一人で進んだ善逸がたどり着いたのは、無数の蜘蛛がうごめく不気味な場所でした。
そこで善逸は、蜘蛛の鬼一家の「兄」にあたる鬼と遭遇します。
兄蜘蛛は、人間に毒を注入し、時間が経つにつれて蜘蛛のような姿へ変えてしまう能力を持っていました。
善逸も知らないうちに毒を受けてしまい、手足がしびれ、髪の毛が抜け始めるなど、次第に体へ異変が現れます。
さらに兄蜘蛛からは、一定時間が経てば完全に蜘蛛へ変わると告げられ、戦いながら毒の進行とも向き合わなければならない絶体絶命の状況に追い込まれました。
普段の善逸は臆病で、鬼を前にすると逃げ腰になる場面も少なくありません。
しかし極度の恐怖によって気絶すると、無意識の状態で鍛え上げてきた本来の戦闘能力を発揮します。
善逸が使える雷の呼吸の型は「壱ノ型」だけですが、育手である桑島慈悟郎から、一つしかできないのであればそれを極限まで磨くよう教えられてきました。
その教えを胸に鍛錬を重ねていた善逸は、兄蜘蛛との戦いで雷の呼吸 壱ノ型「霹靂一閃」をさらに発展させた「霹靂一閃 六連」を繰り出します。
高速移動を連続させて一気に距離を詰め、兄蜘蛛の頸を斬る姿は、普段の善逸との大きなギャップを感じさせる場面です。
ただし鬼を倒した後も毒は消えず、善逸は呼吸によって毒の巡りを遅らせながら必死に耐え続けます。
その後、那田蜘蛛山へ派遣された蟲柱・胡蝶しのぶが到着し、治療を受けたことで善逸は命を救われました。
十二鬼月・累と炭治郎が激突!禰豆子をめぐる戦いへ
母蜘蛛を倒した後も山を進む炭治郎は、蜘蛛の鬼一家の異常な関係を目の当たりにしていきます。
彼らは本当の家族ではなく、それぞれが「父」「母」「兄」「姉」「弟」という役割を与えられ、恐怖によって結びつけられた集団でした。
その中心にいたのが、一見すると幼い少年の姿をした鬼・累です。
累は蜘蛛の鬼一家の中では「弟」という立場でしたが、実際には一家を支配する存在であり、さらに十二鬼月・下弦の伍という高い地位を持つ鬼でした。
累が何よりも執着していたのは「家族の絆」です。
しかし累の考える絆とは互いを思いやるものではなく、役割を守れなければ罰を与え、恐怖によって相手を従わせる歪んだものでした。
そんな累の前で、炭治郎は禰豆子が自分をかばう姿を見せます。
鬼である禰豆子が人間である兄を守ろうとする光景を見た累は、炭治郎と禰豆子の間にある本物の兄妹の絆へ強い興味を示しました。
そして累は、その絆が欲しいという理由から禰豆子を自分の「妹」にすると言い出し、炭治郎へ禰豆子を渡すよう要求します。
当然ながら炭治郎は拒絶し、禰豆子を守るために十二鬼月・累との直接対決へ挑むことになります。
しかし累の操る糸は、それまで炭治郎が戦ってきた鬼とは比べものにならないほど強力でした。
鋭い糸は日輪刀を折るほどの強度を持ち、炭治郎は水の呼吸を駆使しても防戦一方に追い込まれます。
さらに禰豆子も累の糸によって空中へ拘束され、傷つけられてしまいます。
炭治郎にとって那田蜘蛛山での累との戦いは、十二鬼月という存在がこれまでの鬼とは別格であることを初めて体感する戦いになりました。
ヒノカミ神楽と爆血でも倒せなかった累を冨岡義勇が討つ
累の糸によって追い詰められ、死を意識した炭治郎の脳裏に浮かんだのは、幼い頃に父・炭十郎が舞っていた「ヒノカミ神楽」の記憶でした。
炭治郎は水の呼吸では累の糸を斬れないと判断し、極限状態の中で呼吸を切り替え、父から受け継いだヒノカミ神楽を剣技として繰り出します。
ここで放たれる「ヒノカミ神楽 円舞」は、那田蜘蛛山編を象徴する場面の一つです。
同じ頃、糸によって拘束されていた禰豆子も、亡き母の呼びかけをきっかけに血鬼術を発現します。
禰豆子の血鬼術「爆血」は、自分の血を炎のように燃やす能力で、その炎が累の糸を焼いたことで炭治郎に最後の一撃を放つ機会が生まれました。
炭治郎は折れた日輪刀を握ったまま累へ迫り、禰豆子の爆血とヒノカミ神楽を組み合わせて頸を斬ることに成功します。
この瞬間だけを見ると、炭治郎と禰豆子が力を合わせて十二鬼月を倒したように見えます。
しかし実際には、累は炭治郎の日輪刀で頸を斬られる直前、自ら糸で頸を切り離していました。
そのため日輪刀による斬首を回避しており、累は消滅せずに生き残っています。
ヒノカミ神楽と爆血でも、この時点では累を完全に倒すことはできなかったという点は、那田蜘蛛山編を理解するうえで重要です。
すべての力を使い果たした炭治郎へ、怒りをあらわにした累が再び糸を放とうとしたその瞬間、助けに現れたのが水柱・冨岡義勇でした。
義勇は炭治郎と同じ水の呼吸を使いますが、その技の精度と威力は別次元です。
累が放った強力な血鬼術に対し、義勇は水の呼吸 拾壱ノ型「凪」を使って攻撃を無力化し、そのまま累の頸を一瞬で斬り落とします。
炭治郎が命を懸け、ヒノカミ神楽まで使ってようやく追い詰めた累を、義勇はほとんど危なげなく討ち取りました。
この圧倒的な実力差によって、視聴者にも「柱」が鬼殺隊の中でどれほど特別な存在なのかがはっきりと示されます。
那田蜘蛛山編は炭治郎たちが十二鬼月の恐ろしさを知る物語であると同時に、その十二鬼月さえ圧倒する柱の強さを初めて本格的に描いたエピソードでもあるのです。
鬼滅の刃「那田蜘蛛山編」の登場人物と名シーンを解説
那田蜘蛛山編が強く印象に残るのは、十二鬼月・累との激しい戦いだけでなく、炭治郎たちがそれぞれの弱さや過去と向き合いながら一歩ずつ成長していく姿が描かれているからです。
ヒノカミ神楽や霹靂一閃 六連、冨岡義勇の「凪」など迫力ある技が次々と登場する一方で、物語の中心には「本当の家族の絆とは何か」というテーマが一貫して流れています。
ここでは累と蜘蛛の鬼一家の関係から、炭治郎・禰豆子・善逸・伊之助、そして柱である冨岡義勇と胡蝶しのぶの活躍まで、那田蜘蛛山編を代表する登場人物と名シーンを詳しく振り返ります。
累と蜘蛛の鬼一家が求めていた「家族の絆」とは
那田蜘蛛山を支配していた累は、「父」「母」「兄」「姉」という役割を与えた鬼たちと家族を作っていましたが、それは互いを思いやって自然に結ばれた家族ではなく、累が圧倒的な力と恐怖によって維持していた偽物の家族であり、役割を果たせなかった者には容赦なく罰を与えるなど、累が求めていた「絆」は相手を縛りつける支配へとすり替わっていました。
累がここまで家族という存在に執着していた背景には、人間だった頃の記憶があり、生まれつき病弱だった累は鬼舞辻無惨によって鬼となった後、自分を守ろうとした両親の行動を理解できないまま命を奪ってしまい、本来そこにあった愛情を失ったことで、忘れてしまった家族のつながりを取り戻そうとしながらも「強い者が弱い者を守るのが家族」という表面的な形だけを追い求め続けることになります。
だからこそ累は、鬼である禰豆子が自分の身を傷つけながら人間の炭治郎を守ろうとする姿に強烈な衝撃を受け、禰豆子を自分の妹にしようとしますが、炭治郎と禰豆子の関係には命令も恐怖も必要なく、互いを大切に思う気持ちによって自然に結ばれており、累がどれほど力を使っても作れなかった「本物の絆」が竈門兄妹には最初から存在していたことが、この戦いを単なる強敵との対決以上に印象深いものにしています。
炭治郎と禰豆子のヒノカミ神楽・爆血が生んだ名シーン
累の糸によって日輪刀を折られ、逃げ場も失った炭治郎が死の直前に思い出したのが、幼い頃に父・炭十郎が舞っていたヒノカミ神楽であり、水の呼吸だけでは累の糸を突破できないと悟った炭治郎は、これまで剣技として使ったことのなかった父の舞を戦いの中で再現し、「ヒノカミ神楽 円舞」によって累の糸を斬りながら一気に間合いを詰めていきます。
一方で累に拘束されていた禰豆子も、危機的な状況の中で亡き母の呼びかけを感じたことをきっかけに血鬼術「爆血」を発現し、自らの血を燃やして累の糸を焼くと同時に炭治郎の日輪刀にも力を与え、兄が妹を守り、妹も兄を守るという竈門兄妹の関係そのものが攻撃につながったことで、累が欲しがっていた本当の家族の絆が最も鮮明な形で示されます。
最終的に累は自ら糸で頸を切り離していたため、炭治郎と禰豆子だけで討ち取ることはできませんでしたが、それでもヒノカミ神楽と爆血が重なる一連の場面は那田蜘蛛山編を代表する名シーンであり、炭治郎の家に受け継がれてきたヒノカミ神楽という新たな謎が提示される点でも、物語全体を考えるうえで非常に重要な転換点になっています。
善逸の霹靂一閃 六連と「一つのことを極め抜け」に込められた意味
兄蜘蛛の毒に侵され、時間が経てば自分自身も蜘蛛のような姿になってしまうという極限状態に追い込まれた善逸が見せたのが、雷の呼吸 壱ノ型「霹靂一閃」を連続して繰り出す「霹靂一閃 六連」であり、普段は泣き叫びながら逃げ回る姿が多い善逸が、一度刀を抜けば凄まじい速度で敵を追い詰める落差も含めて、那田蜘蛛山編を象徴する場面の一つになっています。
善逸は雷の呼吸に存在する複数の型をすべて習得できたわけではなく、使えるのは壱ノ型だけでしたが、育手である桑島慈悟郎はその事実だけで善逸を否定するのではなく、一つしかできないのであればそれを誰にも負けないほど磨けばいいと教え続け、善逸も何度逃げ出しそうになりながら鍛錬を重ねたことで、一つの技を連続して放つ六連という自分なりの強さへつなげました。
そのため「一つのことを極め抜け」という教えは、単に必殺技を完成させるための言葉ではなく、できないことの多さではなく、自分にできることをどこまで伸ばせるかが大切だという善逸の生き方そのものを表しており、兄蜘蛛との戦いは、それまで自分を弱いと思い込んでいた善逸が実は積み重ねてきた努力を持っている人物だと視聴者に印象づけるエピソードになっています。
伊之助が父蜘蛛との戦いで知った「誇りを持って生きる」こと
炭治郎と別れて山の中を進んだ伊之助は、蜘蛛の鬼一家の中でも桁違いの身体能力を持つ父蜘蛛と遭遇し、二刀流の獣の呼吸で果敢に攻撃を仕掛けますが、父蜘蛛は伊之助の日輪刀でも簡単には頸を斬れないほど強靱な肉体を持っており、それまで自分の強さに絶対的な自信を持っていた伊之助は、真正面から力で押し負けるという経験を味わいます。
さらに父蜘蛛は途中で脱皮するように姿を変えて一段と強くなり、伊之助は刀を折られたうえに首を締め上げられ、死が目前に迫るところまで追い詰められますが、その窮地で思い出したのが炭治郎の存在であり、一人で誰よりも強くなることだけを考えてきた伊之助にとって、仲間の言葉や行動が自分の心を支えるという経験そのものが大きな変化でした。
そこへ駆けつけた冨岡義勇が父蜘蛛を一刀のもとに倒す姿を目の当たりにしたことで、伊之助は自分よりはるかに強い剣士が存在する現実も知ることになり、那田蜘蛛山での敗北は単なる挫折ではなく、強さだけを誇示するのではなく、自分の命や仲間とのつながりを意識しながら「誇りを持って生きる」方向へ変化していく契機として、その後の伊之助の成長につながっていきます。
冨岡義勇の圧倒的な強さと「俺が来るまでよく堪えた」
那田蜘蛛山へ派遣された水柱・冨岡義勇は、炭治郎たちが命懸けで戦っていた蜘蛛の鬼たちをほとんど苦戦することなく倒していき、伊之助を追い詰めていた父蜘蛛にも素早く接近して一撃で頸を斬るなど、一般の鬼殺隊士と柱の間には想像以上の実力差があることを初めてはっきりと見せつけます。
とりわけ累との戦いではその強さが際立っており、炭治郎が日輪刀を折られ、ヒノカミ神楽と禰豆子の爆血まで使ってようやく対抗した累の血鬼術を、義勇は自身が編み出した水の呼吸 拾壱ノ型「凪」で静かに無力化すると、累が反応する間もなく頸を斬り落としており、十二鬼月を前にしてもまったく動揺しない柱の戦闘能力が強烈に印象づけられます。
また義勇は口数が少なく感情が表情に出にくい人物ですが、激戦を続けていた炭治郎たちに向けられる「俺が来るまでよく堪えた」という趣旨の言葉や行動からは、後輩の努力をきちんと認めていることが伝わりますし、物語冒頭で炭治郎と禰豆子を見逃した人物が再び2人の前に現れて守る側に回るという構図も、義勇という人物の魅力を感じさせるポイントです。
胡蝶しのぶが見せた毒を使って鬼を倒す戦い方
冨岡義勇とともに那田蜘蛛山へ派遣された蟲柱・胡蝶しのぶは、一般的な鬼殺隊士とは大きく異なる戦い方を見せる柱であり、小柄で鬼の頸を斬り落とすための腕力を持たない代わりに、藤の花から作った毒を独自に調合して日輪刀から鬼の体へ注入し、「頸を斬る」以外の方法で鬼を討伐するという戦闘スタイルを確立しています。
那田蜘蛛山では蜘蛛の鬼一家の姉蜘蛛と対峙し、穏やかな笑顔と丁寧な口調を崩さないまま鬼に接する一方で、過去に人を殺した罪について問いかけ、その後は蟲の呼吸を用いた高速の突きから毒を打ち込み、姉蜘蛛の体を内側から破壊して倒しており、柔らかな雰囲気と鬼に対する厳しい姿勢が同居するしのぶ独特の人物像が初めて本格的に描かれます。
また、兄蜘蛛の毒を受けて瀕死になっていた善逸を発見した際には適切な処置を行い、後の治療につなげていることからも、しのぶは単に毒で鬼を倒す剣士ではなく薬学や治療にも詳しいことがわかり、力で頸を斬れなくても知識と技術によって柱にまで上り詰めた存在として、善逸とはまた違う意味で「自分にできることを極める」強さを体現している人物だといえるでしょう。
累が最期に思い出した本当の家族と炭治郎が鬼に寄り添う理由
義勇に頸を斬られて消滅していく累は、炭治郎と禰豆子の姿を見たことをきっかけに、長い間忘れていた人間時代の記憶を取り戻し、病弱だった自分を心配しながら育ててくれた両親が、自分が人を襲う鬼となった後にも最後まで息子を見捨てず、一緒に死んで罪を償おうとしていたことに気づき、自分がずっと探していた本物の家族の絆は、失う前からすでに両親との間にあったことを悟ります。
累の体が消えていく中、炭治郎はその悲しみの匂いを感じ取って累の背中にそっと手を置きますが、これは人を食べた鬼の行為を許しているわけではなく、炭治郎自身も「人を殺した鬼を許さない」という考えは一貫して持っており、それでも鬼にもかつて人間として生きていた時間や悲しみがあったことを忘れず、死の間際に苦しんでいる存在まで必要以上に踏みにじろうとはしません。
ここにあるのが炭治郎という主人公を特徴づける大きな要素で、鬼の罪を肯定することと、鬼になってしまった人間の悲しみに寄り添うことを明確に分けているからこそ、炭治郎は鬼を倒しながらも相手の最期を見届けることができ、両親と再会して謝りながら消えていく累の結末は、那田蜘蛛山編で描かれた「家族の絆」というテーマを締めくくる印象的な場面になっています。
鬼滅の刃「那田蜘蛛山編」のあらすじ・名シーンまとめ
那田蜘蛛山編は、炭治郎・善逸・伊之助がそれぞれの弱さや限界に直面しながら、それまで以上に大きく成長していく姿が描かれた重要なエピソードです。
同時に、十二鬼月・累の圧倒的な強さや、冨岡義勇・胡蝶しのぶといった柱の実力が本格的に示され、鬼殺隊の世界が一気に広がっていきます。
那田蜘蛛山編は「家族の絆」「努力」「仲間」「圧倒的な実力差」が交差する物語であり、その後の展開を理解するうえでも欠かせません。
那田蜘蛛山編は炭治郎たちの成長と柱の強さが描かれる重要エピソード
那田蜘蛛山編でまず印象的なのは、炭治郎・善逸・伊之助の3人が、それぞれ別の場所で自分よりも強い敵と向き合っていることです。
炭治郎は十二鬼月・累を相手に日輪刀を折られながらも戦い続け、父から受け継いだヒノカミ神楽を実戦で使い、禰豆子も血鬼術「爆血」を発現したことで、竈門兄妹がこれまで持っていなかった新たな力を見せる転機となりました。
それでも累を倒し切ることはできなかったため、炭治郎が成長したことと、十二鬼月がまだ簡単には届かないほど強大な存在であることの両方が同時に描かれています。
善逸もまた、兄蜘蛛の毒によって命の危機にさらされながら、雷の呼吸 壱ノ型を磨き抜いた「霹靂一閃 六連」を披露します。
善逸は複数の型を使いこなせる剣士ではありませんが、一つの技を極限まで高めることで強敵に勝利しており、「何でもできる必要はなく、自分ができることを磨き抜けば武器になる」という成長の形を示しています。
普段の臆病な姿とは違い、積み重ねてきた努力が戦いの中で結果として現れるからこそ、霹靂一閃 六連は善逸を代表する名シーンの一つになっています。
一方の伊之助は、父蜘蛛との戦いで自分の力がまったく通用しない状況を経験します。
これまで力比べに強い自信を持っていた伊之助が圧倒され、さらに冨岡義勇がその父蜘蛛を簡単に倒す姿を目にしたことで、自分よりはるかに強い剣士が存在することを知りました。
この経験は、ただ勝敗だけにこだわっていた伊之助が仲間との関係や自分自身の弱さを意識するきっかけとなり、その後の成長にもつながっていきます。
そして炭治郎たち以上に視聴者へ強烈な印象を残したのが、冨岡義勇と胡蝶しのぶという「柱」の存在です。
炭治郎がヒノカミ神楽まで使って命懸けで戦った累を、義勇は水の呼吸 拾壱ノ型「凪」で攻撃を封じたうえで一瞬のうちに討ち取っています。
しのぶもまた、腕力で鬼の頸を斬るのではなく、藤の花から作った毒を利用する独自の戦闘方法を見せました。
那田蜘蛛山編は、炭治郎たちの成長を描きながら、そのさらに上には「柱」という別次元の強者がいることを示したエピソードでもあります。
さらに忘れてはいけないのが、累と蜘蛛の鬼一家を通して描かれた「家族の絆」です。
累は家族を求めながらも、恐怖と支配によって偽物の家族を作っていましたが、炭治郎と禰豆子が互いに命を懸けて守り合う姿を目にしたことで、自分が本当に求めていたものに気づいていきます。
戦いの派手さだけではなく、「絆とは相手を縛るものではなく、互いを思いやる気持ちから生まれるもの」という対比まで描かれていることが、那田蜘蛛山編が特に印象深い理由の一つだといえるでしょう。
那田蜘蛛山編の次は「柱合会議・蝶屋敷編」へ続く
累との戦いが終わっても、炭治郎たちの物語はそのまま穏やかに終わるわけではありません。
那田蜘蛛山では多くの鬼殺隊士が犠牲になり、炭治郎・善逸・伊之助も重傷を負ったため、彼らは治療を受けることになります。
さらに炭治郎には、鬼である禰豆子を連れて鬼殺隊として行動しているという大きな問題が残されていました。
そのため那田蜘蛛山編の後には、炭治郎と禰豆子が鬼殺隊の最高位である柱たちの前へ連れていかれ、2人の処遇について議論される「柱合会議」へと物語が進んでいきます。
ここでは冨岡義勇や胡蝶しのぶだけでなく、煉獄杏寿郎、不死川実弥、宇髄天元、甘露寺蜜璃、時透無一郎、悲鳴嶼行冥、伊黒小芭内といった柱たちが本格的に登場し、鬼殺隊という組織そのものがどのように成り立っているのかがより深く描かれるようになります。
特に禰豆子を鬼として認めるのか、それとも危険な存在として処分するのかという問題は、炭治郎にとって非常に大きな試練です。
最終的には鬼殺隊当主・産屋敷耀哉の判断や、禰豆子が人を襲わないことを示す出来事などを経て、炭治郎たちは新たな段階へ進んでいくことになります。
那田蜘蛛山で十二鬼月と遭遇したことで、炭治郎の戦いは一隊士として鬼を倒すだけのものから、鬼殺隊全体や鬼舞辻無惨につながる大きな流れへと入っていくのです。
その後、炭治郎・善逸・伊之助は胡蝶しのぶの屋敷である蝶屋敷で治療を受けながら、傷ついた体を元の状態へ戻すための機能回復訓練に取り組みます。
そこで炭治郎は「全集中の呼吸」をより長時間維持するための鍛錬などに挑み、那田蜘蛛山で痛感した柱との実力差を少しずつ埋めていくことになります。
那田蜘蛛山編で「今のままでは強敵に届かない」と知り、蝶屋敷で次の戦いへ向けて力をつけていくという流れになっているため、この2つのエピソードは炭治郎たちの成長という面でも密接につながっています。
那田蜘蛛山編を振り返ると、炭治郎と累の死闘、ヒノカミ神楽と爆血、善逸の霹靂一閃 六連、伊之助の敗北、冨岡義勇の圧倒的な強さ、胡蝶しのぶの特殊な戦い方など、後の物語にもつながる重要な要素が数多く詰め込まれています。
そして何より、累が求め続けた偽物の家族と、炭治郎と禰豆子が持つ本物の兄妹の絆を対比させたことで、単なるバトルだけでは終わらない物語になっています。
「鬼滅の刃」の那田蜘蛛山編は、炭治郎たちが強さの壁を知り、物語が十二鬼月や柱へと大きく広がっていく重要な転換点として、シリーズの中でも特に印象に残るエピソードといえるでしょう。
この記事のまとめ
- 那田蜘蛛山では、炭治郎たちが蜘蛛の鬼一家と激突!
- 善逸は毒に侵されながら霹靂一閃 六連で兄蜘蛛を撃破
- 炭治郎と禰豆子のヒノカミ神楽・爆血が生んだ名シーン
- 十二鬼月・累との戦いでは、本当の家族の絆が描かれる
- 冨岡義勇と胡蝶しのぶが見せる柱の圧倒的な実力
- 伊之助も死闘を通して誇りや自分の弱さと向き合う
- 那田蜘蛛山編は炭治郎たちの成長が際立つ重要エピソード!
- 物語は次の「柱合会議・蝶屋敷編」へと続いていく


