チェンソーマン86話感想｜コベニの受難と“武器人間”再登場に震える神回！

『チェンソーマン』第86話は、デンジ（チェンソーマン）とコベニの予想外の“デート”が展開される一方で、マキマによる新たな策略が明かされる衝撃の一話となっています。

この記事では、「チェンソーマン」「86話」「感想」といったキーワードに焦点をあて、読者が気になるコベニの行動や武器人間たちの再登場、その背後にあるマキマの意図まで徹底的に考察していきます。

ただのネタバレでは終わらない、“チェンソーマン86話”を読み解くための視点と気づきをお届けします。

86話の核心はコベニとチェンソーマンの“デート”シーンにある

第86話「デートチェンソー」は、チェンソーマンの突飛な行動と、コベニの不憫すぎるリアクションが見どころの回です。

物語の緊張感を保ちつつ、読者に異様なユーモアと哀愁を味わわせる、シリーズでも指折りの“カオス回”といえるでしょう。

そしてそのカオスの中心には、泣きながら踊るコベニと、それを「デート」と定義づけるチェンソーマンの姿がありました。

コベニがハンバーガーを渡せなかった理由とその後の展開

物語は、ファミリーバーガーに来店したチェンソーマン（デンジ）に、バイト中のコベニが対応する場面から始まります。

あまりの緊張と恐怖に、コベニはハンバーガーを落としてしまい、渡すことができません。

その結果、店長が「ドッキリか？」と勘ぐった直後、無惨にもチェンソーマンに斬首されるという衝撃展開に発展します。

まさに読者にとっても、この世界における「日常」と「非日常」の区別が完全に崩れた瞬間でした。

チェンソーマンが“デート”を選んだ背景にあるデンジの思考

チェンソーマンが、ハンバーガーを頬張った後に「女とデートしてみてえよなあ…」と呟き、その場にいたコベニを連れ去る流れは、まさに彼の“人間らしさ”が垣間見える瞬間でした。

デンジというキャラクターは、一貫して「普通の幸せ」に憧れ続けてきました。

だからこそ、今の自分が何者かを忘れてでも、「デート」という行動を通じて自分を確認したかったのかもしれません。

それは単なるギャグ展開ではなく、デンジの人間性と孤独を象徴する場面だと感じました。

再登場した武器人間たちが意味するもの

第86話後半では、ダンスゲームに没頭するコベニの裏で、物語の空気が一変します。

チェンソーマンは突如ビルの屋上へと移動し、そこで公安対魔特異5課の面々と対峙する展開に突入。

そこにいたのは、あの因縁深い武器人間たちの復活した姿でした。

サムライソード・レゼ・クァンシの登場が示唆する戦いの再燃

この回で再登場したのは、第一部でチェンソーマンと激しい戦いを繰り広げたサムライソード、レゼ、クァンシの3人です。

彼らはすでに倒されたはずでしたが、死後、マキマによって秘密裏に回収・再生されていたと考えられます。

この展開は、読者にとって「またあいつらと戦うのか！？」という熱狂と不安を同時に呼び起こしました。

彼らの表情や言動からは、マキマへの絶対的な忠誠が感じられ、かつての彼らとは異なる存在になっていることがうかがえます。

新たに登場した謎の4人とマキマとの関係

この回で初登場となった公安のスーツを着た4人の男女も、読者に新たな謎を投げかけました。

眠そうなパーカーの少年、タバコをくわえた髭の男、小柄な金髪女性、筋肉質な長髪男性……。

いずれも目立った特徴を持ち、セリフから察するに、彼らもマキマに「命を救われた」という記憶を共有しているようです。

この点から察するに、彼らも記憶を改ざんされた武器人間の一員である可能性が濃厚です。

第86話は、新旧の武器人間を一堂に揃えた、壮絶な戦いのプロローグとも言える一話でした。

マキマの支配が見える記憶操作と“愛”の強制

武器人間たちの再登場とともに浮かび上がったのが、マキマの「支配の悪魔」としての本質です。

彼女は武器人間たちに「マキマに助けられた」という記憶を与え、忠誠心を植えつけていました。

この行動こそが、支配＝自由意志の剥奪であることを改めて読者に突きつけてきます。

マキマに救われたという記憶は本物か？

武器人間のひとりであるサムライソードは、「マキマさんは何度も俺たちの命を救ってくれた」と真剣な表情で語ります。

しかしこの発言には、明確な違和感があります。

かつてマキマは、彼らを利用し、目的のために平然と命を投げ出させてきた存在でした。

つまりこの記憶は、マキマによって意図的に改ざんされたものである可能性が高く、「愛」という感情すら、支配のツールとして扱われているのです。

支配の悪魔としてのマキマの恐怖の本質

マキマの怖さは、強大な力そのものよりも、人の心に入り込み、人格や記憶を改変するという静かな暴力性にあります。

誰かの「信じたい記憶」や「救われたい思い」を利用し、それを巧みに操作することで、自分に従わせる。

このやり口は、単なる悪の支配者ではなく、宗教的・カルト的支配の象徴のようにすら映ります。

武器人間たちは、力だけでなく心ごと奪われた存在として、今後デンジとどう対峙していくのかが非常に気になるポイントです。

東山コベニというキャラクターの“不運”と“狂気”

『チェンソーマン』の中でも、特に視聴者から「可哀想」「不憫」「でも笑ってしまう」という相反する感情を引き出すキャラクター、それが東山コベニです。

第86話ではその持ち味が爆発し、不運が極まりながらも、なぜか笑えてしまうシーンの連続でした。

チェンソーマンに突然連れ去られた彼女の“デート”体験は、あまりにもカオスで、あまりにも彼女らしいものでした。

チェンソーマンとのダンスゲームが象徴するもの

アイスを一緒に食べたあと、チェンソーマンはコベニをゲーセンへと誘います。

「ダンスゲームをしろ」と圧をかけられ、震える指で操作を始めるコベニでしたが、なぜか驚異的なコンボを叩き出してしまうという謎の才能を披露します。

これはもはや、狂気に対応するための人間の「防衛反応」とすら感じられます。

本来、誰もが恐怖で硬直する場面で、コベニはダンスを通してある種の“生存本能”を見せたのかもしれません。

視聴者がコベニに抱く「共感」と「笑い」の矛盾

コベニの行動は常に極端で、常識を逸しています。

しかし、それは彼女が“異常な世界”で“普通に生きようとしている”がゆえ。

彼女は誰よりも怯え、誰よりも逃げたがっているのに、それでもなお目の前のタスクをこなそうとする。

だからこそ視聴者は、「笑ってしまうのに、どこか共感もしてしまう」という複雑な感情を抱くのです。

それがコベニというキャラクターの最大の魅力であり、悲喜劇の体現者たる所以だと言えるでしょう。

チェンソーマン86話の感想と考察まとめ

第86話「デートチェンソー」は、『チェンソーマン』という作品が持つ異常性と、人間臭さのコントラストが最大限に発揮された一話でした。

日常のようで非日常、ユーモアの中に恐怖が潜む、まさにこの作品特有の世界観が凝縮されています。

それを体現するのが、チェンソーマンとコベニという、あまりにもミスマッチな組み合わせだったのです。

狂気とユーモアが交錯する絶妙なバランスの回

今回のエピソードは、殺伐とした戦闘や社会の暗部といったテーマが背景にあるにもかかわらず、ダンスゲームやハンバーガーといったポップな要素で彩られていました。

そのギャップが強烈な笑いを誘いつつも、登場人物の内面や関係性にはしっかりとした意味が込められています。

狂気とユーモアを同居させるバランス感覚こそ、藤本タツキ作品の真骨頂でしょう。

次回への期待が高まる“武器人間 vs チェンソーマン”の前触れ

86話のラストで登場した武器人間たちは、今後の物語において重要な役割を担うことが確実です。

特にサムライソードやレゼのような因縁のキャラとの再戦は、読者にとって待ち望んでいた展開といえるでしょう。

彼らがマキマの操り人形として登場した今、デンジ＝チェンソーマンがどのような決断を下すのか。

戦いか、それとも和解か、その行方が気になる幕引きでした。